かつて、Microsoftは開発者たちに人気があった。
しかし、それはもう過去の話だ。調査会社Evans Dataが最近発表した報告書(閲覧には要登録)によると、2008年に「Windows Vista」向けアプリケーションを書いているソフトウェア開発者は、10人に1人もいないことがわかった。正確には8%だ。一方で「Windows XP」向けアプリケーションを書いている開発者は49%に上るという結果が出ていることから考えると、Vistaの結果はいっそう悪いものと言えるだろう。
旧バージョンがこれほど支持されていることは、Microsoftにとっておそらく好ましい事態ではない。Linuxを好む開発者が増えている状況(13%が2008年にLinux向けアプリケーションを書いており、2009年には15.5%になる予測)ではなおさらだ。Macはどうだろうか。Evans Dataの報告書には対応するデータがないのだが、Evans DataはComputerworldの取材に対し、「Mac OS」は開発プラットフォーム対象として380%の急速な伸びを見せていると語った。
Vistaへの支持は2009年についてもそれほど好転せず、割合は24%でしかない(XPは29%)。8%に比べれば大きな前進と言えるが、これははたして勢いがつく兆候なのだろうか、それとも「Windows 7」が出るまでの開発者の一時しのぎにすぎないのだろうか。
また、MicrosoftがVista用アプリケーションの開発を容易にするような対応策を取っていないという指摘も、ITJungleの記事から出されている。
不幸にも、セキュリティ対策を向上させた結果、開発者にとってはVista用アプリケーションを書くのが難しくなった(注:カーネルレベルでのアクセスができないことと、ユーザーアカウント制御の機能があることが問題視されている)うえ、以前のアプリケーションとの間に互換性の問題が生じるようになった。皮肉なことに、OSの脆弱性を突く攻撃の波はほぼ過ぎ去り、現在のクラッカーたちは攻撃目標をアプリケーションに移している。同時に、MicrosoftがWindows XPのセキュリティを向上させたサービスパックを提供したため、「十分使える」状態が強化され、Vistaへの移行をさらに阻害する結果となっている。
まったくそのとおりだ。ほかのすべての分野で争う困難を考えれば、Microsoftはデスクトップ分野で自らを不利な立場に追い込むべきではない。LinuxとMacのシェアが開発者の間で拡大し続けている中、MicrosoftはWindows向けの開発者サポートを強化するのが得策だろう。
Microsoftにとっては残念なことだが、これはおそらくXPに再投資し、Vistaについては、不人気で発売後すぐに生産中止になった「New Coke」にならって、きっぱりと忘れ去るべきだということを意味するのだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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