3度目にして、Verizon WirelessにもAlltelにも魅力的な条件が整ったに違いない。
Verizon Wirelessは過去3年間で2度、地域通信事業者Alltelの買収を検討したとされている。そして米国時間6月5日、Verizon Wirelessは最終的な決断を下し、281億ドルを投じてAlltelを買収する計画だと発表した。Alltelの株式を約59億ドルで買収、Alltelの債務は約222億ドルと想定している。この買収が実現すれば、Verizon WirelessはAT&Tを抜いて米国最大の移動体通信企業になる。
Verizon Wirelessは、規制当局の承認を経て年内に買収を完了させたいとしている。
Alltelは2007年に、Goldman Sachsの投資会社とTPG Capitalによって275億ドルで買収されたばかりだ。またWall Street Journalによると、2007年の買収で資金を提供したGoldman Sachs、Citigroup、Barclays、Royal Bank of Scotland Groupなどには、借入金や債券調達によるおよそ240億ドルの債務がある。AlltelをVerizonに売却すれば、2008年に入ってからの信用収縮でますます厳しいものになっていた巨額の負債が解消されるわけだ。
Alltelを買収することで1320万人の顧客が加わると、Verizon Wirelessは総計8000万人の加入者を有する米国最大の移動体通信企業になる。現在、首位にあるAT&Tの加入者数は、前四半期末時点で7140万人と報じられていた。Verizon Wirelessは、Alltelが事業を展開している米国中西部および南部で主に顧客を獲得することになる。同社はVerizon Communicationsと英国に拠点を置くVodafone Groupとのジョイントベンチャーだ。
この買収は、米司法省および米連邦通信委員会によって精査されると見られる。またVerizon Wirelessは、Alltelとの間で重複する市場において資産の一部を分離するよう求められることも考えられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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