R・マードック氏、報道と政治について語る

文:Dan Farber(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年06月02日 20時28分

 News Corp.に君臨するRupert Murdoch氏がD6カンファレンスで、同氏の部下でありWall Street Journal(WSJ)のライターであるWalt Mossberg氏とKara Swisher氏を前に、新聞の編集について、自説を披露した。

 Murdoch氏は、「Wall Street Journalの記事には、8.5人が編集などに関わっている。そして、記事はますます長くなっている。こうした記事のために時間を割くことはない。どの記事も半分の長さになるはずだ」と述べる。

 Murdoch氏は、Wall Street Journal全体がMossberg氏のコラムのようになればうれしいのだがと述べ、D6カンファレンスの聴衆を沸かせた。77歳になるメディア王のMurdoch氏は、この世界の注意持続時間が短くなっていると考えている。

 またMurdoch氏は、ジャーナリズムに贈られる賞も気に入らないようだ。「ピュリッツァー賞を贈られるような記事を書くことはやめて、読者が読みたいものを提供すべきだ」(Murdoch氏)

Murdoch氏:「Obama氏はMcCain氏に勝つだろう」

 保守派のMurdoch氏は、11月の米国大統領選については、McCain氏ではなくObama氏が勝つ可能性が高いと述べている。政治家は大衆の80%から嫌われるものだが、Obama氏はそれを越えようとしている。

 共和党にとって今は逆風であり、Obama氏は人種問題を克服できるかもしれない。Murdoch氏は、McCain氏は友人であり愛国者であり礼儀正しい人物だと述べる。しかし、Murdoch氏はまた、McCain氏はどう動くか予測不能で、ワシントンに長く居すぎたし、経済に強くなく(Murdoch氏は今は不況だと言う)、体系的に精通しているわけでもないと述べる。

 誰に投票するのかというSwisher氏の問いに、用心深いMurdoch氏は、まだ決めていないと答えた。同氏は、Obama氏がHillary Clinton氏を副大統領にすることは決してなく、Clinton家とは距離を置きたいだろうと述べた。Murdoch氏は、Obama氏を「非常に知的な人物」と評し、同氏に会ってみたいと述べた。Murdoch氏は、同氏が全くの不名誉だと言う米国の教育制度について、Obama氏の改革計画を気に入っている。「Obama氏が本当に実行するかを見定めたい」(Murdoch氏)

 Murdoch氏は、米国はイランなどで国際的危機に直面し、それは候補者たちにとって試金石となるだろうと予言している。

 Mossberg氏が、Murdoch氏に対して、(News Corp.傘下である)New York PostのObama氏支持に同氏が関係しているかをどうかを尋ねると、Murdoch氏は、手短に「イエス」と応えた。こうした正直な発言はめったにないだろう。

 Murdoch氏は、エネルギー危機を、核や太陽、風力などの代替エネルギー源に投資するよりも速やかに解決する方法の1つは、米国西海岸沖とアラスカ沖で油田を掘ることだと述べる。「(米国は)ヘラジカを救うためのアラスカを買ったわけではない」(Murdoch氏)

 D6カンファレンスで講演したすべての業界著名人の中でも、Murdoch氏は一番辛辣だった。

 Murdoch氏はまた、同氏の粘り強さと成功の秘訣について明らかにした。「私は、好奇心がありリスクを冒す気持ちがある限り、前進し続ける」(Murdoch氏)

提供:Dan Farber/CNET News.com

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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