米国の陪審が、音楽の違法ダウンロードの罪で起訴された人物に対し有罪の評決を下した。米司法省によると、このようなケースで同省が有罪評決を勝ち取ったのは初めてだという。
バージニア州アレクサンドリアの陪審は、インターネット音楽海賊グループApocalypse Production Crew(APC)のメンバーとされるBarry Gitarts被告(25歳)に対し、著作権侵害行為の陰謀を企てたとして有罪評決を下した。
司法省の声明によると、Gitarts被告には5年以下の懲役と25万ドルの罰金が科せられ、さらに損害の全額賠償が義務付けられるという。
全米レコード協会(RIAA)は、今回の陪審評決を称賛した。RIAAは、APCに対する証拠の作成に貢献したという。
RIAAのエグゼクティブバイスプレジデントBrad Buckles氏は、「史上初めて、オンライン上の音楽著作権侵害事件が裁判にかけられ、陪審が迅速かつ全員一致の有罪評決を下した」と述べ、さらに「これらの犯罪行為、および、それらが音楽コミュニティにもたらす損害は深刻であり、その結果も深刻だ。われわれは、この裁判での米連邦検事事務所の功績に対し、祝福と感謝の言葉を送りたい」
ブログ「TorrentFreak」によると、APCは音楽著作権侵害のパイオニア的存在だという。リリース前のMP3ファイルをリークする仕組みを最初に作ったのはAPCだと考えられている、とTorrentFreakは報じている。司法省によると、Gitarts被告は、およそ1年間APCに参加した罪に問われているという。司法省はこれまでに15人のAPCメンバーに有罪を宣告している。
ただ、Gitarts被告の件がこれまでと異なっているのは、Gitarts被告は他のAPCメンバーと異なり、司法取引には応じずに裁判に持ち込んだ点だ。
司法省の声明によると、APCメンバーが一般のLime Wireユーザーと異なる点は、彼らの手口が大変巧妙であったことと、著作権で保護された音楽をウェブ上に公開することを専門としていた点だという。Gitarts被告が運営するサーバでは、APCのメンバーが数十万曲分の楽曲ファイルを保存していたと同省は指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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