ガンホーは再びヘラクレスを牽引するか

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 オンラインゲーム運営のガンホー・オンライン・エンターテイメント株の戻りが本格化しつつある。5月12日の株価は値幅制限いっぱいとなるストップ高まで上昇。3月21日に15万5000円の直近安値を形成した後、5月12日には39万3000円まで、2カ月弱で2.5倍の急上昇となっている。

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントの主力はオンラインゲーム「ラグナロクオンライン」。同社会長がソフトバンクの孫正義社長の実弟であるなどの話題性もあり、株式公開当初の2005年4月には462万円(権利落ち修正済み。当時の権利落ち修正前の株価は2310万円)の高値を付けたこともあった。新興市場の主力銘柄として人気は高かったが、株式市場の望む成長を維持できず、株価は2005年秋から急下降に転じることとなった。

 業績悪化の主因となったのはポータル事業。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの業績は2005年12月期まで高成長を続けてきたが、ポータル事業の失敗、撤退費用の計上などにより2007年12月期は営業損益段階から赤字に転落していた。2007年9月には13万9000円の安値を形成。同社は2005年8月に1対5の株式分割をしているものの、実質的に株価は最高値であった462万円から30分の1以下まで売り込まれた。

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは5月9日に今12月期第1四半期決算を発表。連結売上高は前年同期比2倍の35億1700万円、経常利益は前年同期の1000万円から7億2200万円へ急増した。ポータル事業の撤退による収益改善に加え、家庭用ゲームソフト事業への参入効果が大きく寄与している。

 「ラグナロクオンライン」は累計登録ID数が276万を超えるなど、順調かつ安定した推移が続いている。今第1四半期業績急拡大の主因となった家庭用ゲーム機向けソフト事業では、任天堂ブランドで発売大型ソフトのロイヤリティー収入が計上されている。今下期以降にも有力タイトルの投入を控える。同社の柱がオンラインゲームであることは間違いないが、そこで培ったノウハウを活用した家庭用ゲームソフト事業も中期的には収益の柱のひとつに育っていきそうだ。

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは株式公開する企業ながら業績計画は非開示。会社側では開示していないが、株式市場では同社の今期業績について、通期で3億円程度の経常利益を予想していた。第1四半期で7億円超の経常利益を計上したことで、株式市場は大きなサプライズを受けた。同時にガンホー・オンライン・エンターテイメントに対する復活期待が一気に高まっている。

 オンラインゲーム業界は一時期の高成長が一服し、成熟感が漂っている。ただ、ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、オンラインゲームを収益の基盤に、家庭用ゲーム分野への進出で再び成長力を取り戻しつつある。オンラインゲーム各社への株式市場の評価はまだ低いが、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株に関しては独自の展開に入っているようだ。

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントの上場する大証ヘラクレス市場は、復調色を強めつつある新興市場の中でも、特に底打ち・上昇の動きが強まっている。同社株はヘラクレス市場、また新興市場全般のけん引役としての期待が高まってきている。

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