「Wikipedia」を運営しているWikimedia Foundationは、新たに2名の「支部」取締役を追加し、Wikipediaの創設者であるJimmy Wales氏の地位を、「コミュニティー創設者」取締役として正式に確立することにより、取締役会を刷新した。
今回の調整に関しては、Valleywagが、米国時間4月30日に最初に伝えている。
まず、Wikimedia Foundationの取締役会のバイスチェアマンであるJan-Bart de Vreede氏によれば、取締役会は、現在の8名の取締役席から合計10名の取締役席へと拡大される。
大きな変化としては、de Vreede氏の言葉を借りるならば、いわゆる「支部によって選ばれた」取締役席の追加による取締役会の拡張が挙げられると、de Vreede氏は明らかにしている。
「この件に関しては、これまで長く検討されてきたが、ついに実行することができたことを喜ばしく思う。Wikimedia Foundationのミッションを遂行する上で、支部は重要な役割を果たしており、Wikimedia Foundationのガバナンスにおいても、十分に発言権を有すると認識していることを示したい。とはいえ、支部によって選出される2名の取締役席は、Wikimedia Foundation側と対立する支部の権益を代表するためのものではないことは銘記しておいていただきたい。支部は、Wikimedia Foundationの権益を代表し、ミッションの遂行をサポートするのにふさわしいと思われ、またおそらくそうすることが可能であると判断できる取締役員の選出を行うことが期待されている」と、de Vreede氏は記したという。
また、Wikimediaコミュニティーによって選出される3名の取締役席も追加されることになる。
さらに、Wikimedia Foundationは、取締役が求める「技術と能力」を有する人材を見出すことを希望しつつ、4名の「特定の専門知識」に絞られた取締役席の設定も明らかにした。
「例えば、非営利目的のガバナンスに関する、また資金調達に関する深い経験を有する取締役員を、積極的に迎え入れる決定が下されるかもしれない」と、de Vreede氏は述べている。
最後になるが、Wales氏は、コミュニティー創設者の取締役席に正式に就任し、12月31日まで同取締役を務めることになる。
de Vreede氏によれば、「特定の専門知識」を有する取締役席と、コミュニティー創設者の取締役席は、2009年1月に再び改選期を迎える予定である。de Vreede氏は、どのように再任が行われるのかに関して、具体的なことは明らかにしていない。
コミュニティーおよび支部によって選出される取締役席は、2年の任期となる見込みで、年ごとに改選が行われる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」