Reutersの報道によると、欧州連合(EU)は53億ドルを投じて開発を進めているGalileoプロジェクトにおける第2号(最終号)試験衛星「Giove-B」の打ち上げに成功した模様だ。
第1号の試験衛星「Giove-A」は2005年12月に打ち上げられた。Reutersによると、Giove-Bでは、Galileoプログラムの高精度原子時計と信号伝送技術をテストする。
Galileoは欧州の衛星ナビゲーションシステムで、EU最大の宇宙プログラムとなる。最終的には30機の衛星を利用した高精度システムを目指すが、これまでの計画は難航している。
まず、Galileoプロジェクトのローンチ日は延期に延期を重ねた。当初、2008年を計画していたが、現在では2013年となっている。次に、米国のGPS(全地球測位システム)との比較だ。米国のGPSが主として軍による利用を想定して開発され、公共に無料で提供されているのとは異なり、Galileoは商用を前提として立ち上がったプロジェクトだ。だが、この計画はあまりにも野心的なものであり、後に官民共同開発モデルが維持できなくなる。数社がプロジェクトの出資から撤退した後、EUは公的資金の投入を増やすことを決定した。現在では、そのEUの支援も保証されていない。英国の政治家は2007年11月、Galileoプロジェクトが将来的に財務管理できなくなるのではないかという恐れから、英国の参加を根本から見直すべきだと提起している。
Galileoが実際に稼動するのはいつか、GPSと比べてどの程度優れているのか、などのGalileoに関する疑問は、どちらの技術を自社製品でサポートすべきかで迷っているモバイル業界の企業をさらに混乱させている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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