auではすでに2006年7月からGoogleと提携して検索結果に公式サイト、一般サイト、PCサイトを表示させる取り組みをスタートしている。
ここで気になるのが、ユーザーが検索結果のうちどのブロックに移動しているか、である。弊社の見解としては、公式サイトに20%、一般サイトに60%、PCサイトに20%が移動していると考えている。
理由としては、以下の2つが考えられる。
公式サイトは有料、一般サイトなら無料という意識がユーザーにあり、そもそも一般サイトの検索結果から情報を探すという行動をとっているユーザーが多いようだ。
2007年4月20日に開催されたセミナーでGoogleより、モバイルでもキーワードのロングテール化が進んでいるという内容の講演があった。
2語3語の組み合わせワードで、EZwebの検索サービスから流入した数と、オーバーチュアから提供されている予想検索数を比較した場合、「流入数>予想検索数」となる。
そのことからも、EZwebにおいてはロングテール化がより進んでいると考えられる。事実、弊社の運営するサイトでも2語3語の組み合わせワードによる流入が80%程度になるサイトもある。
ところが、公式サイトではロングテール、つまり2語3語の組み合わせワードへの対策が十分に出来ているサイトが少なく、ユーザーの期待する情報が表示されないことが多い。
例えば、執筆時点において、EZwebトップページの検索窓で「北区 赤羽 小児科」と検索すると、公式サイトの検索結果には北区の歯医者のページと北区の公共施設の一覧ページの2件が表示される。対して、一般サイト検索結果には北区の小児科一覧ページなどが175件、PCサイトの検索結果も同様に小児科の一覧ページなど2010件が表示される。どちらがユーザーのニーズを満たしているかは明らかだろう。
モバイル検索の世界では対策すべき重要なエンジンは「iMenu検索サービス」、「EZweb検索サービス」、「Yahoo!ケータイ」、「Googleモバイル」、「Yahoo!モバイル」の5つある。Googleモバイルの対策ができていれば、Googleモバイルだけではなく、iMenu検索サービス、EZweb検索サービスの検索結果にも表示される。むしろこの2つの方が圧倒的なユーザー数をかかえている。一般サイトの運営者にとっては大きなチャンスである。
トラフィックの過半数が一般サイトに流れているからといって、公式サイトにとってはマイナスの変化かというと必ずしもそうではない。そもそもメニューリストから検索へとユーザーが流れているし、公式サイトではまだSEOを意識していないサイトも多く、利用規約など不適切なページが検索結果に表示されているのも見受けられる。検索結果のうち最もアクセスされる位置に公式の検索結果が表示されるため、きちんと対策を行うことでアクセスを増やすことができるだろう。
加えて、一般サイトの検索結果にユーザーが流れているのも事実であるため、Googleモバイルの対策も合わせて行う必要がある。この対策がうまくいけば、公式の枠と一般サイトの枠、両方に自サイトを表示させることができ、ユーザーとの接触機会を増やすことができる。これは公式サイトにしかできない。
Googleモバイルに対応するには、IPアドレスによるアクセス制限、機種の振り分け方など、システム面での対応が欠かせない。一度、自社の仕組みがGoogleモバイルに対応しているかどうか確認することをお勧めしたい。具体的な対策方法は今後に。
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