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「勝ち組」「負け組」が明確に--淘汰の時代に入りつつあるオンラインゲーム市場

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 2008年3月14日に、東京・千代田区で開催された「オンラインゲーム」と「コミュニティ」のカンファレンス「OGC2008」では、最新のオンラインゲームの市場動向について、有限責任中間法人日本オンラインゲーム協会(略称:JOGA)より報告が行われた。

 なお、今回発表された数値については「オンラインゲーム市場統計調査報告書2008」の速報値のため、再精査後に変更される可能性があるので、あらかじめご了承いただきたい。

サービス会社の減少が顕著に

 今回の報告は、JOGA会長 植田修平氏と、同事務局 川口洋司氏から行われた。

 まず、オンラインゲームを提供するメーカーの推移について、説明が行われた。2006年はオンラインゲームを提供するメーカーが128社あったが、2007年では115社に減少。事業を取りやめたメーカーはオンラインゲームを一事業部として行っていたところが多いとのことだ。

OGC2008

 オンラインゲームは海外のメーカーからライセンスを購入してローカライズすれば事業がとりあえずははじめられるので、参入障壁はそれほど高くない(カジュアル系ゲームならば、サポートの人員をそれほど必要としないのでさらに低くなる)。
 そのため、マーケットが急速に拡大際に安易に参入した企業が撤退しているというのが実情と植田氏は語った。

 また、2007年はサービスを終了したタイトルが急増した年でもあった。終了タイトルは2006年35本だったのが2007年では72本と前年比205%増しとなっており、サービスの移管も目立っているとのことだ。

OGC2008

 ただ、この点についてて植田氏は、オンラインゲーム市場の伸びが2004年から2005年かけてでは140%に対しタイトル増加率170%弱、2005年から2006年にかけてでは市場の伸びは130%に対しタイトル増加率が150%と、市場規模の伸びに対してタイトルの増加率が釣り合っていなかった状態だったのが適正になっただけと語り、2006年から2008年にかけては、市場規模とタイトル増加率の伸びはほぼ同じくらいになると予想されるという。

 また、終了タイトルが増え、新規タイトルは減っているという状況だが、市場全体では昨年より確実に大きくなっており、この部分は既存タイトルが大きく伸びているからだという。

 植田氏は、オンラインゲームの主な供給元である韓国でも新規タイトルが減ってきており、ここ1、2年では人気タイトルの順位の変動がない状態が続いていることを例にあげ、韓国オンラインゲームの依存度が高い日本は、この影響を受けているのが要因の一つだと語った。

OGC2008

 また、「勝ち組と負け組がはっきりしてきた」と現在のオンラインゲーム市場について感想を述べ、これまで成長期だったオンラインゲームは、2006年から2007年にかけて次のフェイズに入ってきており、成長期には参入が容易だったが今後はタイトルの魅力はもちろんコミュニティを活発にさせるサービスの提供が、結果的にタイトル継続の原動力になると語った。
 その証拠に、プレイ時間が短くコミュニティが成立しにくいカジュアル系ゲームは数を減らし、逆にRPGタイトルは増えてきているという。

 そして、今後は市場規模は拡大するが競争も激化し淘汰の時期を迎えると、今後の市場についての予想を述べた。

JPGAの役割と今後に施策

 さて、セッションではJOGAの設立趣旨と役割についての解説も行われた。現在、JOGAでは下記4点を中心に、活動が行われているという。

  • 不正アクセス・RMT分科会
  • ゲーム広告分科会
  • 人材育成・マッチング分科会
  • ゲーム輸出分科会

不正アクセスの被害を受けた会員は9割を越えている

OGC2008

 不正な課金の被害、チート・BOTなどの不正なプレイによる被害を受けたことがあるJOGAの会員企業はどちらも9割を越えており、深刻な問題となってきているという。

 不正なアクセスを行うユーザーは、どのタイトルだから多いということではなく、セキュリティの甘いところを順番に(川口氏の言葉を借りるなら)「イナゴの大群のように」移動しているという。従って、ここのメーカーが個別に対応をしたのでは被害を減らすことは難しい。また、それらを産み出す温床として、RMTの存在が大きいという。そのためにJOGAではVISAとワーキンググループを作り対応策を検討しているとのことだ。
 また、最終的には各メーカーの不正サクセスに対する情報共有が被害を減らす鍵であり、JOGAでは各メーカーとの調整をしながら対策を進めていくという。

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 ゲーム内広告分科会については、長時間プレイし課金も行うという忠誠心の高いユーザーを多数抱えているという認識を持つメーカーと、ユーザー数とコストで効果を図りたい代理店側との温度差が激しいとのことだった。

 ただ、ゲーム内広告の未来は大きいという認識では一致しているとのことで、今後はオンラインゲームならではの広告モデルを作成し、今年度中に実施したいとのことだった。


 2007年の最終的なオンラインゲーム市場規模について、具体的な金額は集計中のため発表されなかったが、(昨年ほどの伸びは無いものの)順調に成長しているという。
 プレイヤー(企業とタイトル)が減り市場は大きくなっているということは、ユーザーの意識が高まり満足度の高いサービスに対してのみリーチをしているということだ。

 淘汰の時代を迎えたオンラインゲーム市場。今年はタイトルの魅力だけでなく顧客満足度をどのように高めていけるか、メーカーの力が問われるきびしい年になりそうだ。

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