AOL、SNSのBeboを8億5000万ドルで買収 - (page 2)

文:Caroline McCarthy(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年03月14日 10時49分

 さらに、パフォーマンスを計測・監視している複数の企業がBeboを遅いと判定しているにもかかわらず、Beboの技術はAOLにとって魅力的だったのだろう。Beboのデベロッパープラットフォームは、「OpenSocial」とFacebookの両方のアプリケーションをサポートしており、さらにCBSやMTVなどの大手のメディア会社のオーディオやビデオのコンテンツを配信する「Open Media」プラットフォームを完備するとともにNext New NetworksUstreamのようなオンラインで製品を販売するルートも確保している。一方、AOLは「AIM」を開発者に開放した。

 Falco氏、AOLの社長兼最高執行責任者(COO)であるRon Grant氏およびBeboの社長であるJoanna Shields氏は米国時間3月13日の電話会議で、BeboとAOLのAIMおよびICQメッセージングの資産を統合することは重大な意味を持つことになるだろうと述べた。Beboを統合すると、AOLは8000万人の「ソーシャルグラフ」を持つことになり、これは独立運営のFacebookの現在の利用者数である6700万人より多いが、News Corp.傘下のMySpace.comにははるかに及ばないという。

 「AIMやICQと統合することは配布の面で当社に非常に大きな機会だ」とShields氏は電話会議で述べた。

 しかし、Bebo買収の中心にあるのはあくまで広告である。今回の買収はAOLがオンライン広告分野のリーダーに移行しようと必死に取り組んでいる最中になされた。AOLはこれまでに数々の買収(Tacoda、Buy.at、Quigo、AdTechなど)によって10億ドル近い資産を「Platform A」広告ネットワークに集積するとともに、Goowyのようなソーシャルメディアも買収してきた。他のSNSと同様にBeboも広告の売り上げに依存しており、予測ではソーシャルメディア広告の購入額が増え続ける(eMarketerは前年比で75%増と予測)と言われていることから、AOLもそのパイの分け前を欲しいと思っているのは間違いない。

 しかし、AOLにはまだ難関が待っている。Platform A担当社長であるCurt Viebranz氏が経営陣の刷新により同社を去るとAOLが認めたのは、まだ今週のことである。

 Bebo(本拠地:サンフランシスコ)の社長であるJoanna Shields氏は、引き続きBeboの運営を担当し、Ron Grant氏の直下に配属される。AOL側でこの買収を仲介したのはBank of America SecuritiesとDeutsche Bank Securitiesである。一方、Beboは身売りを決定したときに投資銀行のAllen & Coをアドバイザーとして迎えている。

 Grant氏は13日の電話会議で取引は早ければ1カ月以内に完了する見通しだと語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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