IBMは、ニューヨーク州オールバニーにある研究施設で、22ナノメートル製造プロセスに基づくチップ構築の実現に向け、開発を進めている。そしてここには、さまざまなグループのエンジニア、科学者が集まり、研究を行っている。
次世代チップが10億分の1メートルの領域に達するころは、Advanced Micro Devices(AMD)やサムスン電子、シンガポールを本拠地とするChartered Semiconductor、ドイツのInfineonなど、さまざまな企業が集まって開発と製造を行っているだろう、とIBMは述べている。
現在、IBMと同社パートナー企業は45ナノメートル製造プロセスの初期段階にある(Intelはすでに、45ナノメートルプロセスでのプロセッサの量産に入っている)。45ナノメートルの次は、32ナノメートルで、その後は22ナノメートルとなる。22ナノメートルでは根本的に新しい製造プロセスが必要となるため、課題は大きい。22ナノメートル世代が市場に登場するのは、3〜5年先といわれている。
「われわれは現在、22ナノメートルを完全に製造できるだけの能力がある」とIBMのフェローでありシステム&技術グループの最高技術者兼バイスプレジデントのBernard Meyerson氏は述べる。同氏はまた、これにより、IBMとパートナー企業は非常に早くこのプロセスに基づいた「最先端」チップを開発することができるようになると述べる。
メーカー間の協業を通じて、AMDやCharteredといった企業は、Intelのような半導体業界の巨大企業に対し競争力を保つことができる。「われわれは、エコシステム戦略を実践している。1つのチームとして振る舞い、活動している。AMDがあるチームを率い、Charteredが別のチームを率いる、というのもありえることだ」と、Meyerson氏は述べる。基本的な方式は、最高レベルのものを米国に持ってきて、IBMがヴァージニア州ヨークタウン、ニューヨーク州イーストフィッシュキル、同州オールバニーに設置することだ、とMeyerson氏は続ける。
近い将来、IBMはAMDに対し、AMDが自社で45ナノメートル世代のプロセッサを製造するのに必要な専門知識を(もちろん、有料で)提供しているという。AMDの45ナノメートルプロセスを利用したチップは、3月に入ってからドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT」で展示されていた。これらのプロセッサは2008年後半にリリースされる見通しである。AMDのチップには、液浸印刷や歪シリコンなどIBMと共同で開発した技術が使用されている。
IBMは米国時間3月10日、日立製作所が協力企業に加わったことを明らかにした。両社は半導体分野のイノベーションを加速させるため、2年間共同で半導体研究を行うことで合意した。これは、日立とIBMが半導体技術で協力する初めての合意となる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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