保存するか否かについて論争真っ只中にあったシリコンバレーの歴史的な建物が先週末、火災で焼失した。
San Jose Mercury Newsによると、3月8日早朝に発生した火災により、カリフォルニア州サンノゼにあるIBMのCottle RoadキャンパスのBuilding 25が焼失した。Building 25は1957年に開設した建物で、1996年以降は使われていなかった。現代のHDDの原型となるフライングヘッド式ディスクドライブはここで誕生した。
IBMが作成した歴史紹介文によると、4万平方フィートの建物は「正統派のカリフォルニア流建築物」という。「2つの建物のウィングの間に中庭があり、オフィスと研究所が屋外に延長して存在するイメージ」を持たせることで、「クリエイティブなエンジニア」向けの近代のハイテクキャンパスの先駆けとしても知られているという。「装飾は落着いたパステル調で、内部のインテリアはカジュアルだがシンプル。これが現代人の集中力を支援する雰囲気を作り出している」と記述している。
建築物は1996年に閉鎖された後、破壊の対象となったり、ホームレスが集まってきたことから、フェンスで覆われていた。
Building 25の保存については、現在の建築物を解体し、18万平方フィートの店を構えるという小売店のLowe'sを支援するサンノゼ市と保存派の間で論議されていた。San Jose Mercury Newsによると、Lowe'sと保存を主張する人々の間のやり取りは、建物の一部を改造して店舗と共有するという方向で話し合いが進んでいたという。
消防署長のDave Parker氏はSan Jose Mercury Newsに対し、煙の上がる建物を見て、「これをつくり直すのは難しいだろう」と述べたという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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