無料のオンライン百科事典Wikipediaの共同創設者Jimmy Wales氏は、過去およそ9カ月間に、総額1100ドルの旅行関連費用をWikimedia財団の資金から支出した。
これは、同財団のエグゼクティブディレクターを務めるSue Gardner氏の話から明らかになったものだ。しかし同氏は、CNET TVとCNET News.comが米国時間3月6日に行ったインタビューの中でWales氏を擁護した。Gardner氏によると、Wales氏が財団の資金を私的に流用したとされる疑惑の出所は、「同氏に対して不満を抱いている財団の元従業員」だという。同氏は、その元従業員が自身のブログ上で根も葉もない噂を流したとしている。
Gardner氏は、「(元従業員の行為は)悩ましいことだ」とした上で、「(Wales氏は)非常に地味かつ質素に暮らしており、財団のために最善を尽くしている」と語った。
Gardner氏はこのたびの発言で、Wales氏本人、ウィキメディア財団の幹部ら、そして同財団の元従業員のDanny Wool氏の間の報復合戦に加わることとなった。Wool氏は、自身のブログ「All's Wool That Ends Wool」上にWales氏に関する疑惑を掲載した。Wool氏によると、Wales氏は、財団を個人の「貯金箱」として利用し、高価なワインや、マッサージ、夕食の代金を財団の資金から支払っていたという。また、これらの出費が原因で、財団は2006年にWales氏のクレジットカードを取り上げた、とWool氏は述べている。
これに対し、Wales氏と同財団の幹部らは、これまでWales氏の支出に関して不正行為は一切ないとしている。また、2007年6月に財団に入ったGardner氏は、それを裏付ける事実として次のように述べた。
Gardner氏によると、Wales氏は2007年12月にニューヨークへの旅費として1100ドルを財団の資金から支出したが、この旅行は、Gardner氏が、Wikipediaの宣伝イベント出席のためにWales氏に要請したものだという。Gardner氏はまた、Wales氏はむしろ、Wikipediaの宣伝費用を財団の資金からではなく、自分のポケットから支払ってしまうタイプだと主張した。Wales氏は通常、財団のために行う仕事については報酬を受け取らず、収入は同氏が運営する営利企業Wikiaから得ているともいう。
元Canadian Broadcasting CorpのシニアディレクターのGardner氏は、「Jimmy(Wales氏)が個人的な目的のためにWikimediaの資金を流用したことは一度もない」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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