ガジェット嫌いの私が衝動買いした「Garmin Forerunner 305」--お気に入りガジェットバトン第36回

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 まずはこれを見てほしい。

カリフォルニアの街道で見かけた木、巨大さと美しいシルエットが印象的。この木はどこで撮ったのかなあ(拡大画像/2.33Mバイト) カリフォルニアの街道で見かけた木、巨大さと美しいシルエットが印象的。この木はどこで撮ったのかなあ(拡大画像/2.33Mバイト)

 かっこいいでしょ、向こうからヘッドライトつけて疾駆してくる四駆がこの木の巨大な存在感を強調して、なかなかいい感じ。

 でも、この写真、どこで撮ったんだっけなあ? 確かあれはカリフォルニアYosemite国立公園からNapaに向かう長い道のりのどこかで見かけた木のシルエット。何だか形が良くて、アメリカの街道って雰囲気たっぷりだったから思わず車を止めて撮ったのだった。う~~ん、やっぱりこれってどのあたりの風景なのか、気になるなあ。

そこでGPSデータの登場

愛用の腕時計型のGPSユニット、GarminのForerunner 305 愛用の腕時計型のGPSユニット、GarminのForerunner 305

 こんな時にすごく役に立つのがGPSデータだ。Global Positioning System、全地球測位システム、汎地球測位システムとも呼ばれ、地球上の現在位置を調べるための衛星測位システムだ。地球上のどこに位置しているのかを正確にデータ化してくれる仕組みで、カーナビに組み込まれていたりして、読者の皆さんにもすでにおなじみだろう。しかし、私の愛用しているのは、腕にはめてどこにでも持ち運べ、10時間以上にわたって刻々と変化する位置データを記録してくれるGarmin社製のForerunner 305だ。

 350ドルほどと、少々お高いが、決め手は「ため込んだデータをUSBケーブルでMacに取り込める」点だ。

このクレイドルに載せ、USB接続でデータをMacに吸い上げることができる このクレイドルに載せ、USB接続でデータをMacに吸い上げることができる

 いくら膨大な移動情報を溜められるといってもパソコンで自由に活用できなければ、電子ガジェットとして失格だ。しかも、「Mac OS Xでフル活用できる」というところが私にとっての最も重要な点だ。これがなければ、私には無用の長物。

写真とGPSデータをマッチングさせる

 さて、話を元に戻して、あの気になる路傍の木はどこの? 

 山をトレッキングしたり、ドライブを楽しんでいる時に、私は必ずこのForerunner 305を動かしながら1日を過ごす。その間に撮った写真を部屋に戻ってきたらJetPhoto Studio Proで読込み、USBでつないだForerunner 305からトラックデータを読込み、マッチングさせるのだ。GPSデータには時刻が刻まれており、撮影時刻と照合して、位置関係を割り出すのだ。なるほどなるほど、あの日はこんなにドライブしたのか。

撮影した写真と、ドライブとトレッキングをしたルートを照合 撮影した写真と、ドライブとトレッキングをしたルートを照合

 電子ガジェットはこうして、一緒に使うアプリケーションの存在がとても重要だ。筆者はこのような目的をこなしてくれるアプリをいろいろ探し、試してきたが、一番使えるのはこのJetPhotoだと思う。機能限定版は無償で使えるから、読者の皆さんにも試してみることをお勧めする。ただし、後述するGoogle Earthなどとの連携やGPSデータの編集などをしようとすると$25でProバージョンにアップグレードしたほうがよい。

Google Earthとの連携がおもしろい

Google Earthに送ったり、Google Earthで写真とともに表示できるファイル(KMZ)を作ったり、機能充実 Google Earthに送ったり、Google Earthで写真とともに表示できるファイル(KMZ)を作ったり、機能充実

 JetPhotoにはカレンダーから写真を閲覧する機能、キーワードを付けて串刺し検索する機能などが組み込まれていておもしろいが、さらにGoogle Earthや自分のサイトでGoogle Map web galleryとして写真と行程を公開する機能、旅行業者など向けにJetPhoto Server経由で写真を公開する機能などが組み込まれている。

気になる木はこんなところに居たヤツですね 気になる木はこんなところに居たヤツですね

 この中で、Google Earth上で経路と写真を表示させる機能が簡単でおもしろい。ローカルのパソコン上で即座にGoogle Earth上に展開、表示させた例がこれ。あーそうか、こんな場所であの木に会ったのね。

Yosemiteをトレッキング中に、こんな感じで写真撮影をした Yosemiteをトレッキング中に、こんな感じで写真撮影をした

 とまあ、こんな具合に地図上に配置していくと、このあたりではこんなに写真を撮ったんだなあ。

 あ、そうか、この鹿はYosemiteの草原で出会ったのか──と懐かしさが込み上げてくる。これを写真組み込みのルート情報(kmzファイル)として友人に自慢してもいいし、Googleマップに貼り付けて公開してもいい。

ああ、そうそう、鹿が飛び出してきたのは、ここの草原だったか ああ、そうそう、鹿が飛び出してきたのは、ここの草原だったか

 Forerunnerは心臓付近に巻き付ける心拍センサーも付属していて、名前の通り、走ったり、トレッキングしたりする場合の情報収集をしてくれる。このデータを付属ソフトのGarmin Training Centerで分析し、効果的なトレーニングをサポートしてくれるというわけだ。本当にすばらしいデジタルライフを演出してくれて、ありがとう、という気持ちだ。

 実はこの腕時計型GPS、AppleのWWDC(Worldwide Developer Conference)の時に、フォトグラファーの三井公一さんに薦められ、前々回筆者の林信行さんとともに買いに出かけ、衝動買いしたものだ。最近のiPod touchを例外として、私は電子ガジェットをほとんど使わない。でも、このForerunner 305だけは、まさに肌身離さず、使い倒している。

 さて、次回の「ガジェット・バトン」は、私が日経パソコン、日経MAC編集長だった時代に、パソコンを使っての仕事術に関する記事をたくさん書いていただいた川村 渇真さん。内なる心象風景を見事に映し出す写真術の話をぜひ聞いてみたいとお願いした。

林 伸夫氏プロフィール

 「日経パソコン」の創刊企画に参加し、同誌創刊からのメンバー。93年4月には「日経MAC」創刊も手がける。編集委員室編集委員として、デジタル化、ネットワーク化が我々の社会生活をどう変えて行くのかを、一般ビジネスマンに向けて分かりやすい語り口で解説するなど、幅広く活躍。2006年4月、フリーに転身後、迷えるインターネットユーザー、Macユーザーに役立つ情報を提供中。

 1949年10月14日、山口県生まれ。1972年大阪大学基礎工学部制御工学科(現情報科学科)卒。富士通、スイングジャーナル社を経て、1982年日経マグロウヒル社(現日経BP社)入社。91年3月日経パソコン編集長、91年10月日経BPシステムラボ室長兼務、92年6月パソコン局開発長、92年10月より日経MAC編集長。98年3月パソコン局次長兼務。99年3月からパソコン局主席編集委員、2000年4月からブックレビュー社編集統括ディレクター兼務、2001年3月から編集委員室主席編集委員、2004年1月から編集委員室主任編集委員、2005年1月から編集委員室編集委員。2006年4月、フリーに。


【使用製品】

Garmin Forerunner 305


【購入時期】

2006年8月


【お気に入り度合い】

☆☆☆☆1/2(4つ半)

【次回執筆者】

川村渇真さん


【次回の執筆者にひとこと】

次回の「ガジェット・バトン」は、私が日経パソコン、日経MAC編集長だった時代に、パソコンを使っての仕事術に関する記事をたくさん書いていただいた川村 渇真さん。内なる心象風景を見事に映し出す写真術の話をぜひ聞いてみたいとお願いした。

【バトンRoundUp】

START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム) → 第20回:海上忍氏(最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム) → 第21回:大谷和利氏(古くなっても旧くならないデジタルカメラ) → 第22回:山路達也氏(ラジオを新たなメディアに進化させる「radio SHARK 2」) → 第23回:川野 剛 氏(あと10年は使いたい頑丈なデジカメ) → 第24回:野田幾子氏(面倒を楽しませてくれるウチの亭主) → 第25回:井上真花氏(デジタルだけどアナログのよさを持つ10年選手) → 第26回:安田理央氏(録音するならコレがいい!) → 第27回:とみさわ昭仁氏(コレが「僕の人喰い映画館」) → 第28回:米光一成氏(一度味わうとやめられない便利さ) → 第29回:小野憲史氏(小型で軽量、薄暗いところもシッカリと!) → 第30回:Jo Kubota氏(いつでもどこでも自作・分解するツール) → 第31回:唯野司氏(こよなく「DSテレビ」を愛す) → 第32回:平山美江氏(ハイビジョンレコーダーで動画を120%味わい尽くす) → 第33回:龍川優氏(メタボが怖けりゃ付けてひた歩け!) → 第34回:林 信行氏(自信を持って名機と呼べる携帯電話) → 第35回:塩澤一洋氏(心をまっすぐ伝えるカメラ「GR Digital」)

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