最近のオンライン広告の動向は、ポータルサイトに対する支出が減少しているのに対し、検索やエンターテインメント、ソーシャルネットワーキングサイトに対する支出が増加している。
オンライン広告会社aQuantiveの広告代理店部門であるAvenue A/Razorfishが米国時間2月24日に発表したレポートから明らかになった。aQuantiveは2007年にMicrosoftに買収されている。
このレポート「2008 Digital Outlook Report」によると、2007年にAvenue A/Razorfishを通じて支出されたオンライン広告支出の総額は前年比36%増の7億3500万ドルで、広告が掲載されたウェブサイトの数も倍増し、1800件を超えたという。
しかし、オンライン広告支出全体に占めるポータルに対する広告支出のシェアは2006年の24%から19%に減少した。それに対し、検索に対する支出のシェアは28%から31%に増加し、さらに特定分野に絞ったバーティカルサイトに対する支出のシェアも37%から39%に増えた。また、広告ネットワークに対する支出のシェアは11%で横ばいだったが、上位5つの広告ネットワークに対する支出は増加した。
Avenue A/Razorfishのメディア担当シニアバイスプレジデントであるJeff Lanctot氏はインタビューで、この結果は、ポータルが進めている広告ネットワークを買収し、有料広告事業を強化する戦略を支持するものだと語った。
Microsoftの新有料検索サービス「adCenter」やYahooの新広告プラットフォーム「Panama」は、まさに有料検索市場におけるGoogleの優位を弱める目的で開発された。その一方で、大手ポータルは最近、広告ネットワークを次々に買収した。MicrosoftはaQuantiveの買収の一環としてDrivePMを獲得し、YahooもRight MediaとBlue Lithiumを買収。さらにAOLもTacodaとQuigoを買収した。
Lanctot氏は、景気後退がオンライン広告支出に与える影響について、かなり楽観的な見方を示した。Lanctot氏は、「仮に景気後退が広がれば、すべての広告主が影響を受ける。しかし、デジタルは他のチャネルに比べ(景気後退の)影響を受けにくい」と語る。同氏はその理由として、デジタル広告業者が広告主に対して負う説明責任、すなわちデジタル広告の場合、他の種類の広告に比べ広告効果をより正確に追跡できる点を挙げた。
しかし、検索広告は(景気後退に対し)そこまでの抵抗力はないだろう、とLanctot氏は指摘する。同氏はその理由として、仮にマーケティング担当者が検索サイトに広告を掲載し続けても、検索者は今後、オンラインショッピングの費用を節約し、倹約しようとするからだと説明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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