33年前、アメリカシアトルの一ベンチャー企業として出発し、21世紀を代表する世界的企業に成長したマイクロソフト。ちょうど草創期の同社のようなベンチャー企業に対する支援を、マイクロソフトは企業市民活動(CSR活動)の一環として行っている。
「日本におけるローカルソフトエコノミーを発展させるため、ITベンチャーへの支援を、地域の自治体と協力しながら全国的に行っています。プラットフォームのベンダーであるわが社にとって、世界各地のIT産業の成長は非常に重要なのです。企業市民活動と銘打っているのは、ベンチャー支援が、弊社の社会的責任でさえあると考えているためです」(マイクロソフト デベロッパー&プラットフォーム統括本部ビジネス インキュベーションシニアマネージャー長井伸明氏)
具体的な取り組みとして、同社は、2007年度より、「マイクロソフトITベンチャー支援プログラム」を展開(2003年度から2006年度まで行ってきた「マイクロソフトインキュベーションプログラム」が発展)。
また、同じく2007年度から開始した「イノベーションアワード」のコマーシャル部門では、受賞対象となる企業に、賞金の授与や研究・技術支援と共にグローバル展開のためのサポートも行っている。
「『支援プログラム』では、各地域で選出されたベンチャー企業に、技術及びマーケティング支援を行い、その成長をサポートしています。今年度は広島、香川、愛知、福井4つの自治体を通してベンチャー企業を募集しました。
具体的には、『Visual Studio』等開発用ツールの提供や技術的質問に対する専用窓口の設置、マイクロソフト本社への研修ツアーなどを行っています。
一方、『イノベーションアワード』では、“日本から世界へ”というテーマのもと、支援プログラムに登録されているベンチャー企業や弊社社員が推奨するベンチャーの持つテクノロジー(またはプロダクト)に対してノミネートを行い、表彰しています。マイクロソフト本社を通じて世界各地へ紹介する予定もあります」(長井氏)
さらに、プログラムを終了した企業や受賞者には、「wipse」というベンチャーコミュニティーへの参加の道筋も用意されている。「wipse」は、Windowsをベースとするソフトウェアベンチャーのコミュニティで、参加者同士が情報を交換したりパートナーシップを組む場としても活用できる。プレスや投資家も参加しているだけでなく、メーカー系の企業が幹事になっているため、新たな事業展開に役立つことも多いそうだ。
「弊社としては、このコミュニティを通じて新しいテクノロジーやロードマップの情報を新たなパートナーとなるベンチャー企業に正確に伝えていきたいと考えています。ただし『wipse』はあくまでコミュニティですので、経営者の方々は、そのなかで切磋琢磨していただきたい」(長井氏)
同社が自治体と協力しながらITベンチャー支援を始めて、今年で丸4年。
今後は他の支援活動も機に応じて増やしながら、日本のソフトウェアベンチャーのグローバル展開を支援していきたいとマイクロソフトは考えている。
「支援している日本のベンチャーから、世界のイノベーションをリードするような企業が育ってくれれば非常にうれしいですね」(長井氏)
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