スペイン・バルセロナ発--Vodafoneの最高経営責任者(CEO)であるArun Sarin氏は、現地時間2月12日の当地での基調講演において、インターネットこそがモバイル業界の将来のカギを握っており、通信キャリアは成功したいならば、採用する技術をより注意深く選択していく必要があると述べた。
GSMA Mobile World Congressの2日目に講演を行ったSarin氏は、携帯電話通信事業者が、音楽、ゲーム、動画などの分野で、携帯電話向け新サービスの開発の最前線に立つ必要性を訴えた。もしこの分野で積極的な役割を引き受けないならば、市場への適応能力を失う危険を冒すことになると、Sarin氏は語っている。
「通信事業者は、重要なモバイルインターネットサービスを実現させるために、投資していく必要がある。このまま腰を落ち着けていては、われわれはキープレイヤーとなることはできない」と、Sarin氏は述べた。
さらにSarin氏は、新生の4Gワイヤレス通信技術となるWiMaxとLTEの間で、業界がテクノロジ標準を巡る争いを繰り広げるべきではないことも勧めている。また、2つのテクノロジを巡って、研究開発コミュニティが割れてしまうことがないように、WiMaxとLTEを結合して、共通の標準仕様へと仕上げる努力を払うように、Sarin氏は業界へ呼びかけた。
「TDMA、CDMA、GSMを巡って以前に論議を続けたものの、生産的ではなかった。それゆえに、われわれはWiMaxとLTEを融合させるように奨励していく必要がある」と、Sarin氏は語っている。
Sarin氏は、ユーザーインターフェースを改良していく上での良い例として、通信事業者と携帯電話メーカーが、AppleのiPhoneに着目していくように奨励した。新しいアプリケーションやサービスを早期に立ち上げることを確実にするため、携帯電話端末上で用いられるオペレーティングシステムの数を、通信キャリアが絞り込んでいくことも、Sarin氏は提案した。Sarin氏は、売り上げに関しては世界最大の通信キャリアとなるVodafoneが、現在ネットワーク上で稼動する30〜40のオペレーティングシステムを抱えていることを明らかにした。
「この数はあまりにも多いと、私は考えている。アプリケーション開発者が、30もの異なるオペレーティングシステム用にアプリケーションを開発する方法などない。3つか4つ、あるいは5つにまで、(オペレーティングシステムの)数を絞り込まねばならない」と、Sarin氏は述べた。
とはいえ、Sarin氏は、MicrosoftがPCオペレーティングシステム市場を独占しているように、モバイル業界が、どこか1つの企業によって、モバイルオペレーティングシステム市場が独占されてしまうことを望んではいないという点にも注意を喚起した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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