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エージェンシーの最終的な壁

海老根智仁(株式会社オプト 代表取締役CEO)2008年02月12日 14時56分
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 Web 2.0という言葉が流行り数年が経ちました。CGMの存在も成長期から成熟期にさしかかってきていると言えるでしょう。ただ上記は、広告業界に非常に大きな課題を投げかけていることは、いままで様々な切り口で連載をしてきました。今回は、その総括をしてみたいと思います。

 CGMの隆盛が、どのような大きな環境変化を業界にもたらしてきたかと言うと、

  • 企業対消費者、消費者対消費者の直接チャネルが普及した。
  • CGM等のコミュニケーションチャネルの低コスト化は、マスメディアの相対的な希少性を低下させてきた。
  • 消費者の情報発信が当たり前の時代に、企業の情報発信の重要性も増してきた(企業は情報を頻繁に発信せざるを得ない時代になった)。
  • ネット上の消費者の声が、企業のマーケティング活動に本格的に活用され始めてきた。
  • 消費者主導のコンテンツが増大したことにより、コンテンツと広告の垣根がなくなってきた……など。
 このような大きな環境変化を起こしてきたのがCGMであり、その影響度を考えても「消費者に影響を与える」という視点で『メディア』と読んでも良いと考えます。

 過去、広告代理店は、4マスメディア、SP、ネット広告等の仕入・プランニングができる会社として成長してきましたが、今後は以下のような考え方で、消費者訴求を仕掛けていく必要性があるでしょう。

消費者訴求ができるメディアチャネルの変化 上記右図は、?の領域が狭くなることを意味するものではない。?の領域が、???に比して大きくなるということを意味するものである。

 消費者訴求ができるメディアチャネルを、「エンドユーザーをコントロールできるか否か」「ユーザー一方向的か、もしくは双方向的か」で分類をしております。?の領域が、「コントロール不可能かつ双方向的」であり、この部分にCGMが含まれるわけです。図にコメントしておりますが、将来的には、企業がコントロール不可能である双方向コミュニケーション手法の領域は加速度的に拡大しているわけです。その時代こそ前連載でお伝えしましたが、「ブランドは、消費者自身が決める時代になる」のです。

 いままでCGM時代のマーケティング手法を様々な角度でお伝えしましたが、最後に、『エージェンシーが今後も成長し続けるためには「コントロール不可能なものをいかにコントロールできるか」にかかっているのです。』

海老根智仁
株式会社オプト 代表取締役CEO

大手広告代理店退職後、財団法人社会経済生産性本部において経営コンサルタントの認定を受け、その後1999年9月株式会社オプト入社。2001年1月より同社代表取締役COO。2006年1月より同社代表取締役CEO。慶應義塾大学経済学部卒、産能大学大学院経営情報学研究科(MBA課程)卒、中小企業診断士。デジタルハリウッド大学院教授(「インターネットマーケティング」担当)。「サイバーコミュニティを使った『ニーズ調査』の有効性に関する比較研究」(経営情報学会2000年、共同研究)、「インターネット広告による売上革新」(同文舘出版2006年、共著)等学会・講演活動多数。

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