現在の消費者は、パソコン、携帯、PDAなど様々なデバイスを使いこなし、情報の受・発信を行うとともにメディア接触のコントロール権を持つようになりました。「そのような環境の中では、ブランドはすでに企業がコントロールできるものではなく、ユーザーである消費者のものである。よって『価値の高いブランド体験』がブランド自体を大きく左右する」(「The New Media Universe」セッション、ad:tech、2007年11月6日、ニューヨーク)と思います。そのブランド体験を一番簡単に可能にするのがインターネットの存在と思うのです。
インターネットの普及は、とかくメディアと関連するものとして議論されがちですが、実際にはマーケティングに深く関連するものと再認識するべきです。
上記の「TheNewMediaUniverse」によると、
と言っています。「従来のエージェンシーの業務は、広告のメッセージをマスメディアという配信経路に載せるものであった。しかしこれからのエージェンシーは、消費者もメディアになった時代において、クライアントのために『説得と影響力』を提供するのが新しい役割である。」
具体的はどのようなアクションをした方が良いか列挙すると、
私の解釈では、「これからのエージェンシーは、クリエイティブ機能、メディア仕入機能能など従来的な機能別組織にとらわれず、つねに勇気をもって、広告主のイノベーションとマーケティングの統合を考え、日々の提案活動においては、エンドユーザーの目線になり、斬新なアイディアと特別なブランド体験を作り出す必要がある」ということだと思うのです。エージェンシーは変わらねばなりませんね。
最後に、このセッションでは、「Lynx Jet」(ユニリーバ)のキャンペーンを紹介していました。。セクシーな客室乗務員がいる架空の航空会社を作り上げ、彼女達が接客するファンタジーな世界を描いたCMを流すと同時に、あたかも実際に航空券を販売するかのような新聞広告キャンペーンを展開しています。商品認知を飛躍的に向上させた事例として紹介されました。斬新かつイノベーティブです。
大手広告代理店退職後、財団法人社会経済生産性本部において経営コンサルタントの認定を受け、その後1999年9月株式会社オプト入社。2001年1月より同社代表取締役COO。2006年1月より同社代表取締役CEO。慶應義塾大学経済学部卒、産能大学大学院経営情報学研究科(MBA課程)卒、中小企業診断士。デジタルハリウッド大学院教授(「インターネットマーケティング」担当)。「サイバーコミュニティを使った『ニーズ調査』の有効性に関する比較研究」(経営情報学会2000年、共同研究)、「インターネット広告による売上革新」(同文舘出版2006年、共著)等学会・講演活動多数。
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