私は20代のころウエスト58cm、体重48kgのナイスバディを誇っていた。それが出産後は、ウエスト68cm、体重58kgの立派なおばさん体型に。これじゃあいかんと思いつつも、仕事と育児の忙しさにかまけ、10年が過ぎていったのである。
転機は昨年であった。6月。忙しくて、まともに夕食を食べる暇がない日が続いた。この時点で-3kg。8月。猛暑で夏バテ、さしみこんにゃく以外のものが食べられなくなった。さらに-5kg。3カ月で8kgの減量に成功してしまったのである。
しかし、ここでめでたしめでたしとは終わらない。人間というのは欲深い生き物だ。どうせなら20代の体重にもどしたいという欲望がむらむらとわき上がってきた。
問題は手法である。やせようと思ったら方法は2つ。食べる量を減らすか運動するかである。どっちにしようか。せっかく夏バテが直ったのに、ここで食べないと、栄養失調になりそうだ。では運動か。私は体育が「2」だった運動音痴。スポーツは苦手だ。食べないのも運動するのもどっちもいや。
こんなことを考えながら悶々としているころ、取材で国立健康・栄養研究所の吉池信男先生にお話をうかがう機会があった。吉池先生のお話によると、BMI(ボディ・マス・インデックス)指数<体重(kg)/身長(m)2>が25以上あるいは18以下の人は早死にする確率が極端に高くなるそうだ。だから国を挙げてのメタボ対策がはじまったのだ。メタボ解消のため、吉池先生のおすすめは、とにかく歩くこと。「歩数計をつけて1日1万歩」がアドバイスだ。なるほど。運動音痴の私でも歩くくらいはできるはず。
素直な私はさっそく歩数計を買うことにした。一口に歩数計といったって、価格帯でいえば数百円から2万円弱まで、実にさまざまな種類がある。「防犯ブザーつき」「FMラジオつき」「ライト付き」「体脂肪燃焼量測定機能つき」「腕時計型」……。それぞれにいろんな形や機能があるのだが、いったい私にはどれが合っているだろうか。とりあえず欲しい要素として考えたのは、以下の3つだ。
この要素をもつ歩数計は3000円くらいのクラスだ。該当する製品のなかから私が選んだのは「オムロン ヘルスカウンタ ウォーキングスタイルHJ-1(以下、HJ-1)」。ケンコーコムで2979円であった。決め手はデザイン。「たまごっち」みたいでかわいい」と私のなかの乙女心が言ったのだ。
・時計つき(しじゅう腕時計を忘れる)HJ-1は、おもちゃみたいな外見だが、意外に頼もしい。歩数計測のほか、時計、7日間メモリ、10分以上の連続歩行歩数・時間測定、消費カロリー表示といった機能を備える。
身長、体重、日付時刻、歩幅といった基本情報を入力したら、あとは日々歩くのみ。といったって普通に会社に行って帰るだけだと歩数はわずか4000歩前後。目標の1万歩には遠く及ばない。そこで帰りは会社のある大手町から自宅のある深川まで45分かけて歩くことにした。これでもまだ9000歩。1日1万歩は意外とたいへんだ。あと1000歩は塾のお迎えやコンビニに買い物に行けば達成できる。ちなみに今まで最高に歩いた日は2万2000歩であった。
歩き続けること半年。現在の体重は48kg。ちゃんと20代のころの体重に戻った。4カ月で2kgなんて少なすぎるとお思いの方もあろうが、私はこれでじゅうぶん満足。今度こそめでたしめでたし。
メタボをおそれるあなたも、歩数計つけて1日1万歩、ぜひお試しあれ。
編集者。1967年生まれ、魚座のO型。大学卒業後、出版社を転々とし、編集者修行を積む。出産退職後フリーで編集執筆業を開始するもひとり仕事の寂しさに耐えられず、子供の小学校入学を転機に版元に再就職。現在は文庫本・単行本の編集者として著者から原稿を鬼のようにとりたてる日々。趣味は着物と手芸・裁縫、歌舞伎見物。小学6年生(中学受験真っ最中)と4年生(歌舞伎っ子)の2児の母。
【使用製品】オムロン ヘルスカウンタ ウォーキングスタイルHJ-1
【購入時期】購入時期 2007年9月
【お気に入り度合い】ケータイも財布も忘れたって平気だけれど、これを忘れるとがっかり。
【次回執筆者】林信行さん
【次回の執筆者にひとこと】アスキー時代からのつきあい。なぜかいっしょにライブに行ったり、子供歌舞伎のロビーで会ったりしてしまう間柄。IT業界の大御所・Nobiさま、私がすっかり本筋からはずしてしまったこの連載をまっとうにもどしてください。
【バトンRoundUp】START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム) → 第20回:海上忍氏(最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム) → 第21回:大谷和利氏(古くなっても旧くならないデジタルカメラ) → 第22回:山路達也氏(ラジオを新たなメディアに進化させる「radio SHARK 2」) → 第23回:川野 剛 氏(あと10年は使いたい頑丈なデジカメ) → 第24回:野田幾子氏(面倒を楽しませてくれるウチの亭主) → 第25回:井上真花氏(デジタルだけどアナログのよさを持つ10年選手) → 第26回:安田理央氏(録音するならコレがいい!) → 第27回:とみさわ昭仁氏(コレが「僕の人喰い映画館」) → 第28回:米光一成氏(一度味わうとやめられない便利さ) → 第29回:小野憲史氏(小型で軽量、薄暗いところもシッカリと!) → 第30回:Jo Kubota氏(いつでもどこでも自作・分解するツール) → 第31回:唯野司氏(こよなく「DSテレビ」を愛す) → 第32回:平山美江氏(ハイビジョンレコーダーで動画を120%味わい尽くす)
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