矢野経済研究所は1月8日、可視光通信システムに関する調査を実施、結果をまとめた。
調査によると、省エネや超寿命など環境にやさしいLEDの普及に伴い期待が見込まれる可視光通信市場は信号機から車への情報伝達およびそれによるITSの実現、照明光を使った高速通信、音楽や映画などのコンテンツ配信、PCやテレビなどユビキタスの実現の4分野で構成する。
通信方法の多様化、複雑化による混乱を避けるため、社団法人電子情報技術産 業協会(JEITA)は2007年3月に低速域における通信システムの規格(CP-1221)、2007年6月に可視光IDシステム(CP-1222)を制定した。
製品開発としては2007年、東芝が送信モジュール搭載の「スポットライト型LED照明器具」を製品化したほか、日本電気の「次世代ロジスティクス・ソリューショ ン」、カシオ計算機の「携帯電話とデジカメを使ったアプリケーション」開発など商 品化に向け動き始めている。
さらに可視光通信ではスポットライトからヘッドフォンに音楽や案内、ニュー ス、スポットライトから受信端末(PDA)に美術館や博物館で展示物に関する詳細説 明、携帯電話からデジカメに携帯電話とデジカメを使ったアプリケーションにおける テキスト情報などさまざまなアプリケーションが想定されている。
現状の課題としては可視光通信市場では有力なアプリケーションがないことや 送受信デバイスのスペック不足などが大きな障壁となっている。また、参入企業では LED輝度の向上や受光センサーの高性能化のほか、商品化においては低価格化が課題 となっている。
調査は2007年9〜12月、LED、照明機器ベンダー、アプリケーションベンダー12社を対象に直接面接取材および電話によるヒアリング取材を行ったもの。
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