電通のオプト追加出資きっかけに、ネット広告企業の被買収魅力が再認識

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 インターネット広告業界に再編期待が高まっている。広告大手の電通によるインターネット広告代理専業大手のオプトへの追加出資発表をきっかけに、新興市場に上場するネット広告企業には非買収企業としての魅力が改めて意識され始めている。

高い市場の評価

 2007年12月20日、オプトは電通との資本・業務提携強化を発表した。電通は1株38万円でオプト株を追加取得し、出資比率を従来の5.01%から35.08%に引き上げる。業務面では、電通はオプトの持つノウハウを活用し、成長性の高いインターネット広告分野を強化する方針。オプトにとっても営業面での提携強化のほか、ネット専業では開拓できなかった超大手のクライアントソースの共有化など、大きな効果が期待される。

 提携への市場の評価は高く、オプト株は提携強化策発表の翌日、翌々日の株式市場で買い人気が殺到。電通の買い付け価格にさや寄せする格好で、20日終値26万5000円から2営業日で35万4000円まで急上昇した。

 12月26日には、検索エンジンマーケティングのアイレップが博報堂DYメディアパートナーズとの資本・業務提携強化策を発表。出資比率を従来の3.33%から4.72%に高める。

 大手広告代理によるネット広告専業への相次ぐ追加出資を受け、市場では大手広告代理や大手ネット企業が主導する業界再編を期待が一気に高まっている。

 例えば、業績悪化企業が目立つアフィリエイト(成果報酬型)広告専業では、楽天の資本が入っているファンコミュニケーションズや、ヤフーが筆頭株主のバリューコマースといった業界首位級銘柄が人気化。両銘柄とも、足元の業績悪化を背景に株主が追加出資するなどし、経営建て直しに着手するのではないか、との思惑が浮上。同21日には値幅制限いっぱいのストップ高に買われた。

 オプトと同じネット広告総合代理のセプテーニ・ホールディングス、博報堂系のメディアレップであるデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムなども再編期待が底流。オプトの一件に関連しては、同じ電通系でメディアレップのサイバー・コミュニケーションズに間接的な提携効果が期待されている。

「2008年は流れが変わるのでは」

 米国株式市場や為替市場のほか、地政学的リスクも懸念された年末年始は、日本の株式市場全般が急落。新興市場は外部環境に左右されにくいことが特徴でもあるが、この年末年始は東証1部市場を超える下げに見舞われた。

 この背景としては、インターネット系ベンチャー銘柄の人気後退懸念が挙げられる。2000年のIT(情報技術)バブル到来以降、良くも悪くも新興市場の主役であり続けたセクターだが、市場では「2008年はその流れが変わるのでは」との声が聞かれている。

 市場関係者の間では2008年の有望セクターとして、ネット関連よりも太陽光発電関連や環境関連を挙げる声が増えている。中には「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のミクシィを筆頭に、ネット関連は業界トップ企業が既に株式公開を済ませており、新鮮味が乏しい。斬新なビジネスモデルを持つ企業の登場が必要」(中堅証券)といった声や「(これまで中心だった)ネット株に代わる“柱”の台頭が新興市場の本格復活の条件」(市場筋)といった指摘もある。

 とはいえ、日々の新興市場で売買代金上位を占めているのはネット系ベンチャー企業。新興市場の中核セクターとしての存在感は引き続き大きく、今後も市場の注目を集める展開は続きそうだ。

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