中国本土の3大ポータルサイトの1つ「網易(NetEase)」がGoogle似のデザインの中国語検索サイト「有道(yodao)」をリリースした。リリースにとどまらず、網易のCEOの丁磊氏は3年以内に、有道が百度を上回ると強気のコメントで中国メディアにアピールしている。
丁氏は中国メディアの北京晨報の取材に対し「(現在中国の検索市場のシェアの8割を占める)百度には現在ライバルといえる会社がない。Googleにしても全てのサーバを中国国内においているわけではない。言えるのは、百度のライバルにならんとした企業はユーザーに対してフレンドリーなサービスを提供していなかったということ。これに対し、われわれは利用者の要求を最大限実現させるサービスを提供するだろう。それを具体化したものの1つに(既にリリースした)辞典やブログ検索サービスがある」とコメントしている。確かに同社の辞典サービスこと「海量詞典」サービスでは、中国語を入力し検索ボタンを押せば、その単語の英単語が表示され、英単語を入力すればその中国語が表示される。確かに便利ではある。
しかし取材記事を見る限り、北京晨報のインタビュアーも同社が百度を抜くという言葉に半信半疑のようだ。実際リサーチ会社の易観国際(Analysys International)の調査では、有道リリース前の中国検索市場の同社のシェアは0.5%。現在網易は中国におけるフリーメールでナンバー1シェア(38.4%、易観国際調べ)を獲得しているが、丁氏がいつも引き合いに出すのはこれ。「たとえば当社のフリーメールサービスには大量の人的リソースを投入し、スパムメール対策を行い、多くのユーザーを引き寄せた。こういったことが重要なのだ」
中国の3大ポータルサイトの新浪、捜狐、網易の中で最も検索に力を入れている捜狐(検索サイト名は捜狗)でさえ、最新の検索市場のシェアで1.4%しか獲得しておらず、百度、Google、Yahoo中国の3強状態がずっと続いている。現在の段階でのアドバンテージは、他社にないサービスと、他社にあるMP3ファイル検索や動画ファイル検索などの著作権的にきわどいサービスを一切提供していないところにある(ほかにMP3ファイル検索などを提供していないのはGoogle中国くらいである)。百度やYahoo中国はこういったサービスがあるがため、数年前から、そして2007年も中国国内外のレーベル会社から海賊版を配布したとして裁判沙汰になった。
したがい、丁氏のコメント通り、真の中国人のためのサービスを提供し、中国の環境下ではありがちな著作権的にきわどいサービスを避けながらシェアを獲得してゆければ、網易の有道は中国内外に評価される検索サイトとなるだろう。
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