カカクコム株価50万円台回復、年初来高値更新の背景

 全般低迷相場が続くなかで、カカクコムの株価が11月後半から急速な上昇をみせ、2007年2月の高値を抜いて年初来高値を突破し、新値を更新し続けている。東証1部の中で数少ない年初来高値更新銘柄となっている背景を探った。

 同社は価格比較サイトの大手で、各種サービスの価格情報を消費者にインターネットを通じて提供している。

 2008年3月期の9月中間期の決算発表前の11月6日、9月中間期業績の上方修正を発表。9月中間期の連結業績を従来予想の売上高27億円を30億5800万円に、営業利益を同4億円から5億5900万円へ、経常利益を同4億円から5億6300万円に、純利益を同4億6000万円から5億3700万円へそれぞれ上方修正した。

 これは同社の収益源である運営サイトのトラフィックが計画を上回る水準で推移したことを背景に、とりわけブロードバンド回線取次ぎ業務およびリスティング広告の好調、新規大型クライアントからの広告獲得したことが寄与した。

 11月15日に9月中間決算と同時に発表した2008年3月期の通期連結業績予想は、売上高63億円(前期比28.9%増)、営業利益16億円(同23.1%増)、経常利益16億円(同22.6%増)、純利益11億4000万円(同33.1%増)と大幅な増収増益を見込んでいる。

 好業績のけん引役となっているのは販売サポート部門の好調ぶりだ。同部門はブロードバンド回線やパソコン販売の集客を行い、販売成果に応じた手数料を収入としている。この部門の9月中間期の売上高は、前年同期比76%増の13億2000万円と大幅な伸びをみせた。

 これは同社のサイトを訪れる消費者の購買行動の強さを物語っている。「価格.com」の月間ページビューでも、前年同期の2006年9月の3億4700万PVから2007年9月の4億3700万PVまで26%もの増加をみせている。

 下期については、既存事業の強化を積極的に進めていく。まず、10月に「価格.com」の大幅リニューアルを実施した。トップページのデザイン・レイアウトを一新することで、これまで以上に初心者や女性にも親しみやすい内容として、さらにモール横断検索の検索機能と価格.comの商品データの検索機能を統合することで、検索可能な商品数は1000万点以上と大きく拡大した。

 さらに、「食べログ.com」の大幅な利用者の拡大などによる収益の向上も期待できそうだ。

 同社の株価は、2007年1月19日に49万8000円の高値をつけて以降調整トレンドとなり、5月18日には一時24万円まで下落し年初来安値をつけた。その後は底値圏でのもちあい推移が続いたものの、10月から反転上昇の兆しをみせはじめ、特に9月中間決算を発表した11月15日を目前に控えた同12日から底打ち反転に転じた。

 32万円台の株価がその後一気に上昇。11月29日には2月の高値を一気に更新し、50万3000円と50万円を上回り、先週末の12月7日には51万5000円をつけている。

 10月以降の短期間での急速な株価上昇により今後は一時的には反動安となる場面も想定されるが、中期的には70万円台での活躍も期待できそうだ。

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