スパイダーネットワークスの実験サイトチーム「毒ラボ」は11月20日、「炎上」しているブログやサイトの情報を共有するソーシャルブックマークサービス「炎ジョイ」を公開した。
炎ジョイは、批判的なコメントが殺到しているサイト、いわゆる「炎上サイト」の情報を登録・共有して、透明のレイヤーが付加された炎上サイト上に、「ニコニコ動画」風のコメントを投稿できるサービス。
コメントを投稿する際、内容によってそのサイトに対して批判する「攻撃」と擁護する「防御」を選択することができ、攻撃のコメントは赤茶色、防御は青色で表示される。また、レイヤー上に攻撃と防御の勢力図が表示される。
このほか、ほかのユーザーに炎上サイトへの「攻撃要請」「防御要請」を知らせるボタンや、炎上サイトへ直接アクセスできる「白兵戦」ボタンを搭載する。
また、新着の炎上サイトなどの情報を表示することができるブログパーツを提供している。
そもそもこのサービス自体が炎上を誘発するためのサイトともみなされかねないが、スパイダーネットワークスでは「炎上はなくならないもの。それであれば(炎ジョイという)レイヤーを作って、その上から炎上が広がらない仕組みを作れないかという狙いがあった」と説明する。
同社では炎上について「受動的に参加しているユーザーが多いのではないか」という仮説を立て、炎ジョイ上でコメントを投稿したユーザーが、直接元のサイトへアクセスするかを調査したと説明する。その結果、直接サイトにアクセスして書き込みを行ったユーザーは炎ジョイ上で書き込んだユーザーの約2%。「炎上をレイヤー上で止められるのではないか」とその可能性を語った。
同社の開発者ブログには、記事執筆時点ですでにコメントが450件以上つき、会社にもユーザーからの質問や嫌がらせのメールが数件届いているという、まさに炎上の最中だが、同社ではこういった事態について、「ある程度想定していた。炎ジョイを通じて調査データを取得することも考慮し、あえて扇動的にしたところがあった」という。
また、今後の展開については、「炎上ではなく、本来想定していたとおりにサイトや画像に対して、ディスカッションのできるサービスにしたい」と説明している。
編集部注:11月22日18時23分現在、スパイダーネットワークスは炎ジョイのサービス公開を停止している。
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