米下院、政府監視プログラムの不正協力企業の免責を否定する法案を可決

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年11月19日 16時39分

UPDATE 米下院は、米国政府の監視プログラムに違法に協力した同国の電話会社やインターネット会社を告発する訴訟を認める法案を可決した。

 民主党が提出したRestore Actの採決が米国時間11月15日夜に米下院で行われた。そして、各議員がおおむね党の方針に沿った投票を行った結果、227対189で可決された。しかし、この採決が行われた直後に、ホワイトハウスは「(Restore Actは)米国を海外の脅威から守るための政府の力を危険なまでに弱めるものだ」とし、同法案に対し拒否権を発動する意志を改めて表明した。

 しかし、同法案を承認した民主党議員らはホワイトハウスの見解に異議を唱えた。下院情報委員会の委員長を務めるSilvestre Reyes氏(民主党、テキサス州選出)は採決後のコメントで、「本日可決された法案は、安全と自由のバランスの回復に寄与するものだ」と語った。

 米国では、同国の通信企業が2001年9月11日に発生した同時多発テロ以後(あるいは、その以前から)米国家安全保安局(NSA)の監視プログラムを支援してきたのではないかとの疑惑が依然晴れておらず、Restore Actのような法案が出されたのはある意味当然の結果といえる。これまでBush政権は、政府の監視プログラムを支援したすべての通信企業に遡及的免責を与える法案を可決するよう議会に要請していた。

 民主党の指導者らは、Restore Actは海外のテロリストらの監視を困難にするものではないと主張する。しかし一方、共和党の指導者らは、同法案にはOsama bin Ladenなど海外のテロリストらの通信を傍受するための令状の取得を義務付けるのに十分な抜け穴が含まれていると主張している。

 下院司法委員会の有力メンバーであるLamar Smith下院議員(共和党、テキサス州選出)は、「同法案は、海外のテロリストたちに、同法に基づく権利を米国内の人々よりも多く与えるものだ」とし、「これはまったく馬鹿げた話だ」と付け加えた。

 これに対しRestore Actの支持者らは、同法の下でも、諜報機関は引き続き令状なしに外国人の監視が可能であり、また、海外のテロ組織を監視するための「包括的な令状」の取得も可能だと主張している。

 また支持者らは、同法は一方で、米国民のプライバシー保護を強化するとともに、通信の一方の当事者が米国民である場合の通信傍受要請の承認を担当する謎に包まれた法廷の監視を強化するものだ、と主張している。

 Restore Actは、1978年に制定された外国諜報監視法(FISA)の最新版の一部だ。Bush政権は、通信技術が変化する中、より効率よく情報収集を行うためにFISAが必要だと主張している。

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