ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)は10月24日、報道関係者向けの事業戦略説明会を行った。
2007年9月3日付けでフリービットの公開買い付けが終了し、フリービットの完全子会社となったDTI。グループ内においてBtoB事業を担うフリービットに対して、DTIはBtoC事業を軸に展開していく方針で、2010年4月期における売上高100億円、利益15億円、東証一部上場の目標が掲げられた。
また、ISP事業者としてのDTIは、10月25日から"ユビキタスプロバイダ"の新たなキャッチコピーを掲げ、再始動が図られる。具体的には、同社の企業ロゴを一新し、企業ドメインを"dream.jp"に切り替えるほか、新サービスが順次投入されていく。
第1弾として、DTIはまず接続サービスのラインナップを"シンプルプラン"として刷新。新プランのコンセプトは、接続サービスとユビキタスを分離し、業界最安値水準での接続サービスを引き続き提供していくことに加え、ユビキタスサービスを含めた総合的なサービスでも大手ISPグループ最安値水準を実現することが掲げられている。
具体的には、従来、20以上のプランと20種類以上のオプションサービスで構成されていた接続サービスが、ADSL2プラン、FTTH2プラン、無線1プランに集約して11月から順次投入されていく。FTTHサービスは、NTT東西の「Bフレッツ」とKDDIの「ひかりone」の2種類の対応プランが用意され、月額料金は集合住宅向けが3129円から、戸建向けが6248円’NTT東withフレッツの場合)から提供される。ADSLサービスは、NTT東西の「フレッツADSL」の下り最大12Mbpsのサービスに一本化し、月額1785円から提供。無線サービスは、イー・モバイルの回線をMVNOで提供するかたちで、具体的なサービス開始時期や料金は現在調整中で、近日中にも発表したいとしている。
また"ユビキタスプラン"として、独立したユビキタスサービスを提供。10月25日からDTIのホームページは「Dream HUB」として統一され、同ポータルサイトを通じてユビキタスサーチスが提供される。また、同サービスは既存ユーザーは無料で利用することが可能で、新規ユーザーや同社の接続サービスの会員でない場合にも月額210円から利用できる。
同サービスは、フリービットグループの各種特許技術を駆使して開発された"コアコンポーネントAPI"と、Googleをはじめとする外部サービスのAPIがマッシュアップで組み合わせて開発されている点が特長で、5つのユビキタスサービスが、パソコン以外にも携帯電話、iPod Touch、wiiといったさまざまなデバイスで、ロケーションや時間を問わず、利用できる。「Dream HUB」で提供されるサービスのひとつ、「MyMail」はAjax技術を駆使したウェブメールサービス。メール本文に含まれるリンク先をリアルタイムに先読みする"Sense to Live"をはじめ、スパムフィルター、ウィルスフィルター機能や、本文から住所情報を抽出し、Google Mapsと連携して地図を表示する機能が搭載されている。
また、フリービットの「Emotion Link SAテクノロジー」を利用し、ネットワーク環境に依存せずにソフトウェアをインストールするだけで仮想ネットワークの構築が可能な「U+link」を提供。このほか、「Dream HUB」からワンクリックでコールセンターに接続するサポートシステム「HotLine」や、リンク先の画面キャプチャをリアルタイムでサムネイル表示する「MySearch]、ウェブブラウザ経由でセンターストレージにアクセス可能なストレージサービス「MyStorage」が含まれている。
さらに、10月22日にフリービットが発表した「Emotion Link Semantiq Node API」を紹介。同サービスは、IPv6に対応したマッシュアップ可能な大規模分散型コンピューティングプラットフォームで、自宅PCで受信したメールやデスクトップ検索が外出先から行えるなどの技術を提供するもので、年内にも「Dream Hub」に組み込むかたちでDTIのユーザー向けに提供するほか、開発者向けに技術仕様が公開される方針だ。
フリービットは、DTIのほかに、すでにライブドアと株式会社中部のインターネットプロバイダー事業に関する事業譲受を発表しており、3社の買収により2007年6月からこれまでに約40万人の継続課金ユーザーを獲得している。記者説明会に出席した、同社代表取締役社長の石田宏樹氏は「今後も独立系の地域ISPとの連携を進め、会員数100万人の獲得を早期に達成し、21世紀の新しいISPのかたちとして"ユビキタスHUB"構想を推進していきたい」と語った。
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