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新市場「NEO」の評判と上場第1号ユビキタスへの期待度

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 ジャスダック証券取引所は10月9日、同取引所が新たに設立した先端企業向け新市場「NEO」の第1号として、ネットワーク分野に特化したソフトウェア製品の開発および販売を手掛けるユビキタスを上場承認したことを明らかにした。

 NEO市場は、新興市場が低迷を続けるなかで、ジャスダック証券取引所が、成長性のある新技術または新たなビジネスモデルを持つ企業を支援するとともに、投資家にこうした企業への投資機会を提供することを目的として設立したもの。

「新しい」「企業家達の」「機会」

 NEOは「New(新しい)」「Entrepreneurs’(企業家達の)」「Opportunity(機会)」の頭文字を取ったもので、上場企業には、従来の適時開示に加え、新たに従来の適時開示に加えて経営計画の進ちょく状況などの説明を行う「マイルストーン開示」を義務付けるなど、IR(投資家向け広報)活動の強化を求めているのが大きな特徴だ。

 また、年2回以上の投資家向け説明会を実施するよう努めるほか、年4回以上、自社のホームページにIR資料を掲載することも求めている。

 新市場では、IT・ネット関連、バイオテクノロジー、新素材、ロボット関連などの企業の上場を想定している模様で、上場審査に当たっては、従来のジャスダック上場会社よりも株主数、純資産額、売上高などについての基準を緩和している。

 上場審査では、将来の成長性を示す適切な事業計画を有していることを重視し、事業の基礎となる技術がある場合には、その技術について説明する関連書類の提出が義務付けられる。こうした技術については、ジャスダック証券取引所が新設する技術評価を行う「アドバイザリー・コミッティー」の評価を得る必要がある。

 上場廃止基準については、たとえば、基礎となる事業を廃止することにより、企業活動を停止した場合において、3年以内に新たな技術やビジネスモデルにより企業活動を再開しない場合なども該当することになる。

「上場してくる企業の中身しだい」

 新興市場は、2006年1月のライブドア事件発覚に端を発した長期低迷が続くなかで、主要な投資主体だった個人投資家の市場からの離脱が深刻な問題となっている。そうしたなかで、旧店頭市場を引き継いだジャスダックは東証マザーズ、大証ヘラクレスに比べて、急成長が見込める先端業種企業の比率が低いことがネックとなっていた。これを補うため、先端技術企業向けの新市場を発足させたわけだ。

 しかし、市場関係者の受け止め方はいたって冷静で「上場してくる企業の中身しだい。現在の投資家には、NEO市場だからといって闇雲に人気を集めるほど浮かれたムードはない」と指摘している。

 さて、ジャスダックがNEO市場上場のトップバッターとして満を持して送り出すユビキタスは、マイクロソフト出身の技術者らが2001年に設立した会社で、任天堂の「DS」など家庭用ゲームソフトに通信機能を持たせる技術を開発したことで急成長を遂げている企業だ。同社の2007年3月期の決算(非連結)は、売上高6億8026万円(前期比50%増)、経常利益4億1506万円(同42%増)、純利益2億4419万円(同37%増)となっている。

 ただ、一方で2007年3月期の全売上高に占める任天堂向けの比率が87.7%と非常に高い水準となっていることから、1社への依存度の高さが今後リスクとなってくることも考慮しておかなければならない。なお、上場時に実施する公募・売り出しの際の想定発行価格は1株=9万円となっている。

 市場関係者は、ユビキタスについて「ジャスダックとしても絶対失敗の許されない上場第1号ということで厳選しただけに、業種的にも現在最も人気のあるジャンルで、業績も好調、利益率も非常に高く、技術力にも優れている会社をあててきた。9月は、新規上場した4社すべての初値が公募価格を割り込むなど深刻な状況にあったIPO市場も、最近になってようやく改善の兆しがみえはじめたこともあり、ユビキタスに限ってはかなり人気が沸騰することも想定される。しかし、2社目以降は慎重な吟味が必要となることはいうまでもない」としている。

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