電力網を管理するソフトウェアを開発しているGridPointは米国時間10月17日、第4投資ラウンドにより、新たに4850万ドルの資金を得たことと、公共事業向けの販売へと注力していく新方針を反映して、新たな取締役員を選出したことを明らかにした。
Goldman SachsやプライベートエクイティのSusquehannaといった、現在の出資者がこの投資ラウンドを率いた。GridPointはいままでに合計8800万ドルの資金を獲得している。
この資金調達に関する発表と同時に、GridPointは、電力網業界では異色となる新たな取締役を増員している。
Duke Energyの最高技術責任者(CTO)であるDavid Mohler氏と、US Power Generating Co.の最高経営責任者(CEO)であるJacob Worenklein氏が、現在は取締役の一員である。Duke Energyは、消費者向けにエネルギー販売を手がける公共事業を展開しており、US Power Power Generating Co.は、発電所を運用して、電力需要が高まる時間帯に電力会社などへ「ピーク」電力を提供することを専門としている。
GridPointの最高執行責任者(COO)であるKarl Lewis氏は、この新たな取締役員の選出が、公共事業向け販売を一層強化する戦略へと、GridPointがシフトしていることを反映したものであると語った。
今後もGridPointは、家庭向け太陽光発電と蓄電システムをセットにした製品を求める消費者向けに、バッテリエネルギー管理アプライアンスの販売を継続する。
しかしながら、Lewis氏は、GridPointの情報システムプラットフォームへの需要は、今後ますます高まっていくだろうと述べている。こうした情報システムプラットフォームは、電力会社などが電力網にかかる負荷を軽減することを支援するよう設計されている。
ピーク時の電力需要を賄うために新たな発電所を建設するという選択を回避するため、電力会社は、電力網への需要が1日の流れの中でも一定したものとなるように奮闘中であると、Lewis氏は語る。家庭や会社での電気製品の利用を電力会社などが規制可能となる需要反応システムによって、この問題への対処は一層容易になる。
Lewis氏によれば、GridPointは、家庭向け太陽光発電システムの導入やハイブリッド電気自動車の利用管理に特化したアプリケーションを開発した。ハイブリッド電気自動車は、電力会社にとって差し迫った問題となりつつある。
もしも一般的に電力需要も大きい夜間に、多くの人が車のバッテリ充電を行うようになれば、電力会社にとっては悩みの種となるピーク時の高い負荷が加わるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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