NECは10月15日、広帯域ウェアラブルアンテナ(WWA、Wideband Wearable An tenna)試作機の開発に成功したと発表した。
開発したWWAは、導電性の布を用いた携帯型の高性能アンテナで、洋服など さまざまなものに付けたり、折り畳んで持ち運ぶこともできるため、電波状態 が悪いエリアの補助アンテナとして活用することができる。
一般に、アンテナは自由空間中で動作させることを前提としており、人体な どの近くで用いると電力の抵抗を表すインピーダンス特性が劣化し、抵抗が増 加し十分な性能が発揮できない。これに対しWWAは、衣服に装着するような人 体のそばでも自由空間でも、インピーダンス特性が劣化しないように設計した。
また、導電性の布を用いた場合、これまではハンダ付けができないことが問 題となっていたが、今回小さなフレキシブルプリント基板に同軸ケーブルで給 電(ハンダ付け)し、その基板を容量結合させることにで、給電が行えるよう にした。
NECでは、まず470MHz−770MHz帯で地上デジタル放送の受信検証を実施。そ の後、WiMAXなど将来的な端末の外部アンテナとしての可能性を検証し、将来 の実用化を検討しながら開発を進める。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」