今回のテーマは「イントラネットとエンタープライズ2.0に関する調査」。
グループウェアやポータルのイメージが強い今までのイントラネットとは違い、企業と社員の双方向コミュにケーションを実現したり、社員が持っている暗黙知を集合知にすることなどが期待される「エンタープライズ2.0」に対し社員はどのように利用したいと思っているのか。現在のイントラネットの利用状況などとあわせて調査した。
今回の調査は10月5日〜10月8日で行い、社会人1,049人の男女(20歳代25.1%、30歳代24.8%、40歳代25.2%、50歳代25.0%)から回答を得た。
まず、現在勤めている会社にイントラネットがあるか尋ねたところ、61.6%の人があると回答した。これを社員数別に見てみると、100人以上社員がいる企業は5割以上、300人以上だと約4分の3以上の企業がイントラネットを導入しており、中規模以上の企業でのイントラネット利用は一般的となっている。では、社員はイントラネットをどのくらい利用しているのだろうか。
イントラネットを導入している企業に勤めている人を対象に尋ねたところ、約9割の人が利用していると答えており、約4割の人が2時間以上利用していることが明らかになった。多くの時間をイントラネット利用に費やしていることを企業は認識しているのだろうか。イントラネットの利便性の向上による効率UPは企業の課題の1つと言えるのではないだろうか。
では、イントラネットにはどのようなコンテンツがあるのだろうか。イントラネットを利用している人に尋ねたところ、連絡・掲示板、メール機能、会社の部門別コンテンツ、スケジューラー、文書管理、アドレス帳、設備予約、規定集などが5割を超えていることから、現在のイントラネットはグループウェアの機能を中心に会社のニュース、規定、部門別コンテンツを組み合わせたものが多いことが明らかになった。
現在、企業ではグループウェアと企業ポータルの統合が大きなテーマとなっており、従来のグループウェア機能に加えて、組織を超えて経験、知恵、知識を共有できることが重要となっています。そんな中で、Web 2.0の技術を社内でも利用しよう(エンタープライズ2.0)と考えている企業もある。このような動きに対し、社員はどのように考えているのだろうか。まず、現在のイントラネットに追加して欲しい機能を尋ねたところ、約半数の人が特にないと答えた。一方で、地図検索、書籍検索が人気があることがわかった。また、社内の暗黙知を集合知にかえるWiki、社外や競合企業のニュースをRSSフィードで配信してくれる機能が10ポイントを超えている。
次に、イントラネットに「エンタープライズ2.0」を導入する目的について尋ねたところ、「情報を共有し、業務時間の効率化を図ること」(22.6%)、次いで「部門間など横のコミュニケーションを活性化すること」(19.5%)、「社員に会社のビジョンや経営方針を効果的に伝えるため」(16.5%)が上位にきている。
最後に、イントラネットに「エンタープライズ2.0」を導入することでどのような効果があると考えているのか。効果が感じられないと答えた人はほとんどいない一方で、その効果が分からないという回答も半数を超えた。しかし、約4分の1の人が部署間の情報共有が進んだり、他部署の動きが可視化されるため自部署の役割が再確認できると効果を認識しているという回答も少なくない。また、会社のビジョンや経営方針がよくわかるようになると感じている人や時間が有効に使えると答えた人も1割以上いることがわかった。
以上のことから、今後、イントラネットに期待されることは大きく分けて2つあることがわかる。1つは企業内スタートページ(よく使う機能や必要な機能を1つにまとめて利用できるスタートページ)により、業務の効率化を図りたいということ。もう1つは、社員間でのナレッジ共有、交換、活用や経営層との双方向コミュニケーション。
イントラネットを利用し積極的に業務をしたいと考える社員に対して、どのように企業が応えていくか目が離せない。「進化する企業は充実したイントラネットを持っている」といわれる日が、すぐそこまで来ているのかもしれない。
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