次期Ubuntu Linux「Gutsy Gibbon」(バージョン7.10)で初めてとなるベータ版がリリースされた。このリリースには、2つの技術が新たに搭載されている。
1つ目の技術はユーザーインターフェースだ。Red HatやNovellはすでに見栄えのする3Dグラフィックスを搭載しているが、Ubuntuもようやくこれらグループに追いついた。今回のベータ版にはOpenGLグラフィックス技術を使った「Compiz Fusion」が採用されている。ウィンドウは透明になり、デスクトップは立方体の表面に映し出される。ウィンドウをゼリー状に振動させたりズームで簡単に拡大させたりすることもできる。さらに、多様な3D効果を「ダウンロードして組み込むことも可能。こうした目先の華やかさはCPUを無駄遣いし迷惑と考える向きもあるが、Mac OS XやWindows Vistaにも同種の機能が搭載されており魅力的と見る人も多い。
記者個人としては3D効果はおもちゃのようなものだと考えており取り立てて惹かれることもないが、インターフェースの更なる革新に向けた重要な基礎にはなるかもしれない。
2つ目は「Gnash」というの技術だ。今回のベータ版にはそのプレビュー版が搭載されている。Adobe Systemsはアニメーションやビデオストリーミングを実現するFlashというソフトウェアを提供しているが、Gnashはそのオープンソース版だ。まだ開発中で、「Ubuntuではまだ完全にはサポートされていない」が、64ビットソフトウェアに完全移行したい利用者にとってはFlashの機能が一部とは言え使えるようになる。
また、プロジェクト関係者によると、ユーザーインターフェースにGNOMEを使っている場合、プリンタは接続するだけで自動的に環境設定されるようになったという。
そのほか、サーバ版には、Novellが提供しているソフトウェアである「AppArmor」が含まれている。同ソフトウェアは、ソフトウェアアプリケーションを隔離し、その特権レベルを厳しく限定することでセキュリティを強化することができる。
Gutsy Gibbonのリリース予定日は10月18日となっている。
Walt Mossberg氏(Linuxは一般向きではないと評したことがある)は果たして気に入ってくれるだろうか。もし駄目なら、次のチャンスはGutsy Gibbonの後継「Hardy Heron」がリリースされる予定の2008年4月となる。Hardy Heronは長期サポートの対象としては2番目となるリリースで、サーバ版で5年間、デスクトップ版で3年間のサポートが保証される予定。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス