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だから僕らは、経営者の道を選んだ(学生起業家討論:前編) - (page 2)

佐俣アンリ、文:田中誠2007年10月11日 14時50分
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単なる友達ではない仲間

佐俣:今、西嶋さんや洋洋さんからは起業したいと思った経緯などの話が出ましたが、伊藤君の場合はどうですか?

伊藤:僕も大学に入ってから留学したんですが、現地でルームシェアをしていたんです。その時、アメリカ人と自分たちの家族の話などをするうちに、自分は愛情を注がれて恵まれた環境に育ったんだな、ということを改めて感じました。それを感じられたのはルームシェアをしていたからなんですよね。

 今、日本ではうわべだけの関係って多いと思うんですが、昔は長屋みたいなところに住んで悩みや夢をもっと話していたと思うんです。単なる友達というより仲間みたいな関係ですよね。

 そういう文化を今の日本でも広めたいと思ったんです。でも実際、それを日本でやろうとしたらできないんですよね。契約等の問題もあって不動産屋さんはうるさいし…。じゃあ、自分で始めちゃおうと思いました。

 もともと僕は恵まれない子供のための基金を作りたいと思っていたんですが、今は寄付をしてもそれが何に使われたのか分からないことが多いですよね。

 でも、その使用明細が送られてきたりしたら、みんな積極的に寄付してくれると思うんです。そういう透明な基金を作るためには10億円くらい欲しいと考えた時、サラリーマンではムリだろう、起業して、しかもIPOするくらいの会社を作らないとムリだろう、と思ったんです。そんなことを掘り下げながら考えていって、今の会社を起業するに至りました。

佐俣:太田君の場合はどうでしたか?

太田:僕は高校3年くらいの時に起業を意識し始めたんですが、大学に入って少し経つと、自分は何をしに東京へ来たんだろうという気持ちになってしまったんです。「東京に行けばさまざまなことが変わる!」と東京の大学生活に過剰な幻想を抱いていたりもしたので…。

 でも、こんなことでは親に申し訳ないと思うようになったんですね。それで親に誇れるようなことをしようと思ったのが具体的に動こうと思ったキッカケです。

 その後、いろんな活動をして視野を広げたり、経験を積んだりしていたんですが、最初は起業が目的となってしまっていて、そこに理由はなかったんですね。でも、大学2年の夏にある人からなぜ起業なのかを深く突っ込まれた時に、何も考えてないことに気が付いたんです。

 それからいろいろ考えるようになって、自分はやりたいことがたくさんあるのでそれを全部成し遂げるためにはやはり自分で組織を持つのが一番だろうと思いました。それが起業に至った理由です。

ライブドアショックの余波

佐俣:聞いてみると意外と昔から起業する意識があったみたいですが、一般的に若者の起業意識が高まったのはホリエモンが出てきたあたりですよね。あれはみんなにとって影響はないのかな?

太田:僕は一切ないですね。そういう人もいるんだ、というくらいで。たぶん、僕らの世代はあまり関係ないんじゃないですかね。僕らの1つ2つくらい下の世代は影響を受けているかもしれませんけど。

伊藤:僕は高校生くらいの時はまだ起業の意識もなかったなあ。

佐俣:確か洋洋さんは、ドリコムの内藤さんの影響が大きいんですよね。そう考えるとやっぱりライブドアの次の世代ですか。

喜洋洋:そうですね。ドリコムのビジネスコンテストに参加した時に内藤社長が講義をしてくれたんですが、アイディアの出し方、戦略、ファイナンスなど、すべてがスーッと自分の中に入ってきたんです。

 ですから今のビジネスもその時の講義のエッセンスをベースに考えてますね。同じ大学(京都大学)ですし、かなり影響を受けたというか、目標になってます。

佐俣:起業しようと思ってから実際に起業するまでの期間ってどれくらいですか?

喜洋洋:1年半くらいですかね。

ビジネスコンテストの存在

佐俣:すごく興味があるのは、結果的に起業のキッカケになったものは何なのかということなんです。ビジネスコンテストがひとつのエンジンになるのは間違いないですよね?

太田:たぶん、そこで得られるリソースというのはほとんどなくて、得られるのは自信だと思います。いろんな人に評価されて、認められて、みんながイケるよ、と言ってくれるからそのまま突っ走れるみたいな…。

佐俣:そうそう。勝ってしまった波と、手元に来るある程度のお金…。そういう意味でのビジコン効果というのは確かにあるよね。

西嶋:確かに起業したいという学生は多いわりに、実際に学生のうちから起業する人は少なくて、そこを後押しするのがビジコンという側面はあるでしょうね。

佐俣:そこで聞きたいんですが、起業に対してリスクを感じますか?

太田:我々の場合はリスクはないと思います。もちろん、まったくリスクがないことはないですが、社会人の人が会社を辞めて起業することに比べたら、学生のうちに起業して、もし失敗してもまた新卒で就活できるという状況はリスクが少ないと思います。

佐俣:でも、太田君の会社は新卒を取ってますよね?

太田:ウチの場合はもう、そのフェイズは越えてますね。

佐俣:そこが境目だよね。社員を取るということは、もうリスクというより責任の問題になってくるから。伊藤君はリスクを感じる?

伊藤:一般社員をやったことがないので、そこだけが不安ですね。リスクがどうかはまだ分からないですが、社会経験がない若造であることは間違いないので。

太田:確かに組織を知らないというリスクはあると思うし、実際、それは感じてます。たとえば経理業務などのバックオフィス側の管理業務をどう回していくのかなどが分からなかったりして…。もちろん、自分たちでクリエイティブしていけばいいんですが、やっぱり効率は良くないですしね。

佐俣:洋洋さんはリスクを感じてますか?

喜洋洋:今は感じないですね。社会人になってから起業しても、結局は1からの勉強になると思います。それだったら早めに始めた方がいいですよね。最初はもがくことになると思いますが、3年後に始める人よりは僕たちの方が3年分経験は積めていると思います。

後編につづく

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