今週ウェブOSである「Jooce」の初期バージョンを体験した。この種の製品は興味深いと思うのだが、まだ本当に説得力があるというものには遭遇したことがない。次も参照されたい:「Startforce(動画)」「YouOS(レビュー)」「DesktopTwo(レビュー)」「Glide Effortless(レビュー)」そして「Goowy and YourMinis(レビュー)」。
そのコンセプトは「基本ウェブウェア」である。ウェブOSは、少なくとも理論的には、通常OSが行う全ての重労働をインターネットのどこかに所在するサーバに任せ、インターフェースはブラウザを通して提供するというものだ。ウェブOSでは、自分のローカルコンピュータにソフトウェアやストレージを追加することを心配しないで済む。つまりブラウザを備えたマシンならどれでも、シンプルにログインするだけで、パーソナルマシンに変身できることを意味する。さらにデータは全て集中管理されているため、他者との共有や共同作業が概して簡単にできる。
ウェブOSの弱点といえば、スピードとアプリケーションが不足していることだ。Jooceは今の「プレ」事前公開という段階で、スピードの問題を解決することに成功したようである。しかし、同OS上で使える本格的なアプリケーションがひとつも見つからなかった。
JooceのユーザーインターフェースはFlashで構築されており、見た目がよく、使い易い。これはまた賢い共有機能を備えている。各ユーザーはデフォルトで、プライベートと共有の2つのワークスペースを与えられる。この2つのスペースの間で、容易にファイルを移動したり、他者にアクセスさせたりすることができる。マウスをクリックすればすぐに作業スペースの切り替えが可能だ。ちょうどMac OSのユーザー切り替えのような感じである。(まさに、デフォルトのデスクトップ背景はMacデスクトップの青い流線のデザインとあからさまに似ている。)
今のところ、マルチサービス対応のIMクライアント、ファイルアップロード機能、メディアプレーヤーは別として、使えるJooceアプリケーションがない。しかしJooceの最高経営責任者(CEO)であるStefen Surzucki氏は、同社のプラットフォームでは、アプリケーション同士が容易に対話できるために、「NetVibes」のような単一ページのアグリゲータ(single-page aggregators:SPAs)とは異なり、個別のウィジェットを収集する必要がないのだという。しかし誰かがそのようなアプリケーションを考案し、構築しなければならない。それが簡単か、難しいか、あるいは誰が携わる予定なのかは、とくに昨今アプリケーションやウィジェットのプラットフォームの急増を開発者たちが心配していることを考慮すると、まだわからない。
私にとってJooceは、SPAであるNetVibesまたは「Pageflakes」(いずれも、自分のページにウィジェットを加え、共有することができる)と、現在のSPAsにはできないマッシュアップを比較的に容易にさせる「Yahoo Pipes」をミックスしたようなものと感じられる。
またJooceは現段階では科学プロジェクトのような雰囲気を醸しているが、見た目は非常に美しい。われわれはこのウェブOSやその他から、新しいプラットフォームを構築する作業は技術的には困難だが、そのためのアプリケーションを作成するように開発者を説得する作業と比べれば、何でもないことだということを、学ぶことになりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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