ネットベンチャーのフォスターネット(東京都渋谷区)は、米リンデン・ラボ社が運営する仮想電子空間「セカンドライフ」で、世界の環境問題を疑似体験しながら学習できるサービスを9月に開始する。環境保全に役立つ製品を販売する企業のPRも手がけることで、広告収入を得る考え。3次元画像を使い、現実により近い体験ができるセカンドライフの特長を生かす新たな取り組みとして注目を集めそうだ。
フォスターネットが提供する「G−Learning(ジー・ラーニング)」では、利用者はアバターと呼ばれる分身を操りながら、セカンドライフ内に構築された地球に模した空間内で、ゴミ問題や発電による地球温暖化、砂漠化の進行など地球レベルで発生している問題の実態、解決方法などを学ぶことができる。
例えばゴミ問題では、アバターがゴミを分別して廃棄すると、それがどういう経緯で森林保全などにつながっていくかなどを、さまざまな現象を見ながら体験できる。環境問題と生活の関連付けにおいては、東京大学の内山東平特任教授の研究を参考にしている。
フォスターネットは環境性の高い発電機器メーカーなどから広告出稿を募り、2008年6月末までに約100社の広告主を集める考え。集客面では一般のセカンドライフ利用者だけでなく、環境教育に関心のある学校や民間企業などとも授業や社内研修などでの活用に向け協議を進めているという。
セカンドライフは利用者が現在約600万人にのぼるといわれ、企業の広告媒体として注目されるが、企業の進出した空間は宣伝色が強く、利用者が敬遠する傾向が強いと指摘されている。環境などの切り口で集客効果をあげ、企業の宣伝活動にもつなげる同社の取り組みは、セカンドライフを活用した新たなサービス形態として注目を集めそうだ。
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