AsianuxやGINUXが政府機関に使われるのは、韓国産のソフトウェアを使う方針を盛り込んだ政策があるからだ。そのため公共機関からの需要は高いが、製品的にはRed Hatが優れていると、Red Hatは自信を持つ。実際、Linuxにおいては開発者コミュニティの活動がことさら重要ではあるが、これらを積極的に支援し、活動が活発なRed Hat側に対し、コミュニティ活動状況が低調なAsianuxやGINUXは、性能や完成度に対する問題を指摘されることもある。
利用者不足も問題だ。これはとくにデスクトップ用にいえる。MicrosoftWindowsが市場をほぼ掌握している韓国。Vistaリリース時にActive X問題で頭を痛めた経験は記憶に新しい。しかし一般のユーザーからしてみれば、未知のOSを使うのには抵抗があり、使い慣れたWindowsがよほど安心感があるのだろう。
こうした状況を変えるため郵政事業本部では、全国の郵便局内にあるインターネット利用ゾーン「インターネットプラザ」に設置されているPC全3253台を、2009年までLinux OSに替える計画を進行中だ。郵政事業本部では「第2の“Active X事件”が発生しないよう努力している」とアピールする。Linuxを体感できる機会を、大々的かつ一斉に提供できるのは政府ならではだ。
2007年6月にはHaansoftが「Asianux Desktop」をリリースしている。下半期にはワープロや表計算など、韓国では馴染み深い同社製生産性ソフトのAsianux版を発表する予定であるという。
AsianuxやGINUXが成功を収めるには何より、Linuxに目を向けさせ利用者を増やすことが必要だ。そのため現在、政府や企業は積極的にユーザーに歩み寄ろうとしている。
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