AlwaysOn主催カンファレンスに集う新興企業と新技術

文:Miriam Olsson(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、長谷睦2007年08月03日 20時52分

 カリフォルニア州パロアルト発--当地で開催されたAlwaysOn Network主催の技術カンファレンス「Stanford Summit 2007」では、最終日の米国時間8月2日も、多くの新興企業が自社の技術を披露した。少しは名が知られるようになった企業からまったくの新興企業まで、その知名度はさまざまだが、いずれもベータ段階のサービスを提供する企業だ。中にはすでに資金調達ラウンドを1、2回経験した企業もあり、さらに投資家の注目を集めようとこのカンファレンスに集まってきた。

 では、出席した新興企業の顔ぶれを見てみよう。

新技術開発企業

  • Flock」は、メディアの共有やオンラインでの交流を可能にするツールおよびアプリケーションを追加できるウェブブラウザだ。この製品については、われわれも以前にも取り上げたことがある。このソーシャルブラウザの最新版は現在ベータ版が公開中で、2007年夏の正式公開を目指している。
  • Nextrials はライフサイエンス関連の企業で、臨床研究用のソリューションを開発している。設立は1999年で、最高経営責任者(CEO)のJames Rogers氏によると、同社のソフトウェアの利用実績は既に850件にのぼるという。同社の製品は、調査記録の管理や被験者の任意抽出、データの収集を行うもので、開発コストを引き下げたり製品の市場投入を早めたりするといったメリットがある。Nextrialsは、バイオ医薬品企業や医療機器メーカーなどの中規模市場に狙いを絞っている。
  • Genius.comは、商品を販売する企業に、自社のウェブサイトを訪問した顧客を追跡するプラットフォームを提供している。Genius.comは販売担当者が大量の電子メールを送ってもそれを追跡する手段がないことに着眼し、「Genius e-mail」を開発した。同社CEOのDavid Thompson氏によると、この製品を使えば、顧客がサイトを訪問した際にその動きをページごとに追跡でき、「どの顧客が見込みがありそうで、どの顧客がそうでないか」がわかるという。
  • EffectiveUIは、リッチなインターネットアプリケーションを利用し、Adobe Systems、eBay、Discovery Channelなどの顧客にインターフェースソリューションを提供する企業だ。同社がeBayに提供しているプラットフォームは、現在はベータ版だが、eBayの利用者が各企業や商品を検索、比較するツールの提供を目指している。同プラットフォームには、現在ユーザーが手作業でやっているような商品画像の並べ替えを行う機能がある。しかし、ユーザーはいつも同じ位置にボタンがあるレイアウトに慣れているため、新しいツールを使ってもらうのはなかなか難しいはずだ。なお、EffectiveUIのすばらしい実績としては、Discovery Channelと共同で作成した、ガンを克服した人々が自らの経験を語る「Cancer Collage」がある。
  • Infopiaは、企業が取引や在庫、顧客を管理するプラットフォームを提供している。このプラットフォームはウェブサイトに情報を供給し、注文や出荷の状況を追跡する。CEOのBjorn Espenes氏によると、同社の顧客は350社にのぼり、eBayやSalesforce.comのような企業とも提携しているという。

ウェブサービスおよびコラボレーションツール

  • MindTouchは、オンラインメディアおよびブランド向けのWikiプラットフォームを提供している。2007年4月に投入した「Mindtouch Nexus」は、企業が自社サイトのデザインに合わせてカスタマイズし、自社ブランドで運用できるオンライン出版用プラットフォームだ。
  • Box.netは、ウェブベースのオンラインファイルストレージおよびファイル共有サービスを提供している。8月2日にStanford Summitで行われたプレゼンテーションの中でも、最も直接的でわかりやすいものだったが、事業そのものは特にユニークとは言えない。Box.netは事業を開始してからある程度の時間が経っており、同社によれば、ユーザー数は100万人以上にのぼり、1日あたり70万のファイルが同サービスで共有されているという。新機能としては、友人とのファイル共有を容易にする「Facebook」用のプラグインがある。
  • Leads360は、住宅ローン業界をターゲットにしており、見込み客の誘導、成約を支援する製品を開発している。CEOのJeff Solomon氏によれば、同社の会員は1万人で、見込み客に対する投資を回収するために同社のソフトウェアを使用している顧客が500件あるという。
  • LongJumpは、各種のアプリケーションを組み合わせてセキュリティソリューションを構築し、同僚や提携先と情報を共有するオンラインプラットフォームを提供している。同社のプラットフォームは、ドラッグ&ドロップで各アプリケーションをカスタマイズできるインターフェースを採用している。
  • Forterra Systemsは、ビジネスアプリケーションに応用可能な仮想現実世界を提供している。同社が目指しているのは、企業が3Dのバーチャル環境でアバターを利用して、社員研修や共同作業、リアルタイムの会議といった現実の業務を行なうことだ。だが、残念なことに、プレゼンテーションの際に音声に問題が生じ、デモが見られなかった。
  • Collarityは、商品のオンライン販売を考える企業の支援を目的としている。同社のツールは、ユーザーが優れた商品を探し出す手助けをしてくれる。サイトを訪問した客が商品を見つけ出せなかったために販売のチャンスを失ってしまうことは多い。顧客が探している商品の検索を通じて、Collarityは「これを気に入ったお客様は、これもお気に入りです」というようなおすすめ情報を提供する。このようなサービスは、CleversetAggregate Knowledgeなどの企業も提供している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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