家庭内のデジタル化は本当に進むのか--白物ネット家電の普及の鍵はモバイルなどへの情報配信型サービス

文:Work-Life調査団 構成:ソフィア2007年08月10日 08時00分

 今回のテーマは「家電に関するアンケート」。

 白物ネット家電の発売が進む中、現在、利用されているサービスは何なのか?また今後求められているサービスはどのようなものかを調査した。

 今回の調査は7月27日〜7月30日で行い、全国のインターネットを利用する1,066人の男女(20歳代19.2%、30歳代19.6%、40歳代20.1%、50歳代20.4%、60歳代以上20.7%)から回答を得た。

 生活必需品となっている家電について尋ねたところ、一人暮らしや家族との同居など居住スタイルと関係なく、ほとんどの人が冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコンを持っていることがわかった。

最近、WEBなどを利用しネットワーク接続可能な家電が発売されているが、そのような白物ネット家電について知っているか尋ねたところ、安否確認機能つき電気ポットという回答が39.7%と最も多く、次いで、遠隔操作機能つきエアコンが37.4%、レシピ配信機能つき電子レンジが28.0%となった。

 しかし、その利用状況を尋ねたところ、2.6%の人が遠隔操作機能つきエアコンを利用しているものの、その他の白物ネット家電はほとんど利用されておらず、白物ネット家電の普及が進んでいないことが明らかになった。その理由を尋ねると、そのようなサービスを知らない人が最も多く37.4%と認知度の低さが利用率の低さにつながっている。次いで「価格が高い」と答えた人が35.9%、「機能にメリットはあるが、必要を感じない」が32.2%と続いており、現在の機能はお金を払ってすぐにでも使いたい機能とはいえないようだ。

白物ネット家電を利用していない理由 白物ネット家電を利用していない理由(n=1038)

 それでは、消費者は現在利用している家電を価格以外にどんな基準で選んでいるのだろうか。冷蔵庫を例にその購入するときの判断基準を尋ねたところ、「サイズ・容量」が約8割と最も多い一方で、「色・デザイン」、「電気代」などその他のものがすべて2割に達していないことを考えると「サイズ・容量」という家電メーカーでは差別化することが難しい標準機能が購入の判断基準として最も重要だということがわかる。

 どのような機能であれば標準機能以外に差別化を図ることができるのか。インターネットを利用して、ドアのモニターでメールやレシピのダウンロードをしたり、庫内の在庫管理をする冷蔵庫が開発されている。このような冷蔵庫を利用したいか尋ねたところ、全体の約3割が利用したいと答えている。その中で利用したい機能としては約40.1%の人がインターネットの機能と答える人が最も多く、次いでスケジュール管理機能が34.4%と続いている。キッチンでは料理をしながらスキマ時間ができることが多いことから料理をしながらちょっとした空き時間を利用したり、インターネットを利用してレシピなどをみながら料理したい人が多いようだ。

 しかし、このような機能が搭載されるとして今後の冷蔵庫の購入ポイントを尋ねたところ、「サイズ・容量」「電気代」「色・デザイン」など既に購入の際の判断基準として人気のあるものにニーズがある一方で、ネットワークに関係する機能はあまり人気がない。潜在的なニーズはあるもののその機能が認知されていない、体感したことがないものについては具体的効果が伝わらない限り、必須の機能という認識には至っていないようだ。そんな中で食材管理機能を利用したいとしている人は現在の冷蔵庫の購入ポイントよりも高くなっており、賞味期限管理など食の安全に対する関心の高さが伺える。

 以上のことから、冷蔵庫の場合はスキマ時間を埋めるインターネット機能やスケジュール管理機能のニーズはあるものの、本来の標準機能の良し悪しを超える訴求ポイントとはなっていない。そのようなネットワーク機能よりも賞味期限管理や在庫管理などのニーズのほうが高いことから、それをいつでもどこでも把握できるようモバイルと連動するなど食の安全や食材の有効利用などの情報プッシュ型機能がブレークスルーの鍵といえるのではないか。

現在発売のネット対応冷蔵庫を利用したいか(n=1077) 現在発売のネット対応冷蔵庫を利用したいか(n=1077)
冷蔵庫を購入する場合の価格以外の判断基準 今後、冷蔵庫を購入する場合の価格以外の判断基準(n=1077)

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