NASAシステム侵入事件:貴族院への上訴が認められる可能性

文:Tom Espiner and Colin Barker(ZDNet UK) 翻訳校正:編集部2007年08月02日 14時09分
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 NASAのコンピュータに侵入したことを認めた英国人Gary McKinnon被告の米国への身柄引き渡しについて、同被告が貴族院に上訴する可能性が出てきた。

 McKinnon被告の代理人を務める弁護士事務所によると、貴族院への上訴を許可すべきかどうかを上訴委員会判事が検討するという。

 McKinnon被告の弁護士のアシスタントを務めるJeff Anderson氏は米国時間8月1日、「合意点に関して多少あいまいな部分もあるが、貴族院が昨日、審理を検討していることを伝えてきた。まだ本件は検討の段階にあり、具体的に審問の開催が決定したわけではない。ただ、その是非を検討する公聴委員会を開くことは決まっている」と述べる。

 McKinnon被告は4月に行われた上訴審に敗訴したが、同被告の弁護士はその際、上訴審の判事が上訴委員会に控訴する「可能性を確実に残した」と述べていた。

 裁判所は4月、McKinnon被告に対し、「米当局が司法取引を持ちかけたとされることについて、これに警戒心を抱いた」とし、米検察官によってMcKinnon被告に強制措置が適用される可能性を危惧していた。

 McKinnon被告と弁護士によると、米検察チームは司法取引の交渉で、交渉に応じない場合には、最高の罰則を科し、「ニュージャージーの当局に引き渡して徹底的に締め上げる」としてMcKinnon被告を「脅迫」したという。

 McKinnon被告の弁護士はさらに、米国側は、司法取引に応じない場合は同氏が英国内の友人や家族の近くで服役できる可能性はないと述べたとも主張した。

 Anderson氏によると、McKinnon被告は現地時間7月31日、上訴委員会が、McKinnon被告の弁護団による主張を聞くことに同意したことを知ったという。Anderson氏は「米当局が、圧制的かつ独断的な方法で司法取引をしようとした」と主張する。

 身柄引渡しを阻止するための英国での手続きは、貴族院への控訴で最後となるとAnderson氏は述べる。「貴族院で、Gary氏の望む判断が下されない場合、英国でできることは何も残されていない」(Anderson氏)

 ここで敗れた場合、欧州人権裁判所に上訴できる可能性はあるとAnderson氏は述べる。

 McKinnnon被告は米政府機関のサイトをハッキングしたことを認めているものの、深刻な損害を与えたことに関しては否認した。熱狂的なUFOマニアらは、彼が地球外生物の証拠を探して、政府機関システムに侵入したと述べている。

 また被告の友人たちによれば、同被告は2月14日、ストレスによる心悸亢進症との診断を受けているという。Anderson氏はMcKinnon被告の体調について「格段に良くなっている」ものの、「大きなストレス」による影響を今も受けているとした。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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