Ask.jpが3つの動画サービスを吸収--動画広告ネットワークで収益化目指す

鳴海淳義(編集部)2007年08月02日 14時00分

 Askビデオが3つの動画関連サイトを吸収し、総投稿数100万本を超える国内最大の動画共有サイトとなった。

 買収によって吸収するのはファブリカコミュニケーションが運営する動画変換配信サービス「らくちんFLVメーカー」、動画付グリーティングカード「ドウガメール」、動画共有サイト「Movie Caster」。アスク ドット ジェーピー(Ask.jp)、トランスコスモス、ファブリカコミュニケーションの3社が7月2日に売買契約に合意した。買収額は非公開だが、数億円規模とのことだ。

 これらのサイトはトランスコスモスが譲受し、Ask.jpが運営を引き継ぐ。Movie CasterはAskビデオと同様の動画共有サイトだが、配信形式が異なるため統合は行わない方針だ。

 Askビデオはグループ会社であるJストリームの技術を利用した完全ストリーミング。一方、Movie CasterはYouTubeのような擬似ストリーミングであるため、ローカルへのダウンロードが可能となっている。

 そのため、Askビデオは企業向けのキャンペーンへの提案などBtoB向けにも展開できる。それに対して、Movie Casterではコンシューマに絞ったサービスを提供する。Google VideoとYouTubeのようにまったくの別ブランドとして共存させるという。またドウガメールも個別のサービスとして企業向けキャンペーンに利用していく。

 らくちんFLVメーカーは、動画をブログに貼り付けたり、Movie Casterとドウガメールにアップロードするためのツール。アップロードされた動画はらくちんFLVメーカーがホスティングしており、現在70〜80万本ほどのビデオを保有していることになる。これにAskビデオに投稿された約30万のビデオを加算すると、累計投稿本数が100万を超える国内最大のサービスになるということだ。

 さらにAsk.jpが運営するこれらのサイトに投稿された動画のブログ被貼り付けシェアは、YouTube、ニコニコ動画に次ぐ3位になるという(8月1日Ask.jp調べ:Askブログ検索より統計データを抽出)。

 Ask.jpは今回の3サービスの吸収により、2008年までに3億円の広告収入およびコンテンツ収入を目指す。具体的な収益源としては、動画広告ネットワークの構築を視野に入れている。Ask.jp 事業戦略室 エグゼクティブビジネスプロデューサー 兼 CGM事業部長の桐生学氏は、「ブログ事業者などと提携し、ブロガーが好きな動画広告を選択して掲載できる仕組みを検討していく」と語る。

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