iPhoneには2メガピクセルのカメラがついている。カメラのインターフェースは非常に素晴らしく、写真を撮るとカメラのシャッターを模した画像まで表示される。だが、編集オプションが搭載されていないのは予想外だった。つまり、iPhoneでは、解像度を変える、色合いや画質を設定する、夜間撮影モードを選ぶ、といったことはできないのだ。
また、フラッシュや自分撮り用のミラーもないため、自分の姿を格好良く撮るのはかなり難しい。ただし、われわれのテストでは、カメラの動作自体は快適だった。写真の画質も非常に優秀で、色合いは豊かで鮮明なうえ、被写体の輪郭もシャープに表現される。白はやや柔らかすぎるきらいがあるが、全体としては上出来といえる。欠点は動画を撮影できないことで、この価格の携帯電話としては期待はずれだ。
すでに述べたように、写真のメニューは魅力的かつ使いやすい。特に、2本の指を広げる、あるいは縮めるように動かすことで拡大、縮小ができるおかげで、使い勝手が高まっている。また、指をディスプレイの端から端に滑らせて、複数の写真を次々と選ぶこともできる。選んだ写真は、連絡先情報に貼り付けたり、壁紙にしたり、友達にメールで送ったりすることが可能だ。
iPhoneはクワッドバンド(GSM 850、900、1800、および1900MHz帯)に対応している。われわれはAT&Tのサービスを利用し、サンフランシスコで通話品質をテストした。通話品質はおおむね良かったが、信頼性は高いとは言えない。
音声は自然なのだが、音量が小さすぎる場合が多く、マイクが音声をよく捉えられる位置もかなり限られている。iPhoneをほんのわずか耳から離しただけでも音量がかなり小さくなり、音声がはっきり聞き取れるよう適切な位置に戻さなければならなかった。混雑したバーにいる通話相手の声が聞き取れないほどではなかったが、改良の余地はありそうだ。スピーカーでの通話も、会話の音声がかき消されるほどではないとはいえ、音量は非常に小さい。
複数のCNETの読者からも音量の問題について報告があった。われわれとiPhoneで話した一部の読者は、背後でシューシューという音がかすかにすると言っていた。われわれの側ではこの音はしなかったのだが、何人かの友人もこの音に気づいたと話していた。音声認識型の自動電話システムはわれわれの声を認識できたが、それは静かな部屋にいるときだけだった。全体的に言って、通話場所の違いによる通話品質の変化はほとんどなかった。
われわれは当初、iPhoneのWi-Fi接続を利用して、CNETの社内ネットワーク経由でSafariブラウザをテストした。ウェブページの読み込みには5〜10秒かかり、重い画像のあるサイトではもう少し時間を要した。動作は全体として快適だったが、期待していたほどのきびきび感はなかった。
原因はCNETのネットワーク側にあるのかもしれないと思っていたが、多少の差こそあれ、これくらいの速度が標準のようだ。家庭内のネットワークで試したところ、読み込みにはCNETの社内ネットワークと同程度の時間がかかったほか、Wi-Fiが使えるカフェでもこれより数秒長い程度だった。
なお、Wi-Fi接続を利用しない場合は、AT&TのEDGEネットワークを使うしかない。この場合、接続速度が極端に遅くなり、Safariのすてきなインターフェースを楽しく操作することは不可能だ。接続速度は50〜90kbps程度で、ダイヤルアップ接続時代のブラウザを思い起こさせる。はっきり言って、この遅さには耐えられない。Appleが速やかに3Gネットワークへの対応を進めるよう願うしかない。特に、高速データ通信方式のUMTS-HSDPA(Universal Mobile Telephone System-High Speed Downlink Packet Access)について、AT&Tが充実したネットワークを備えていることを考えればなおさらだ。
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