8月19日にはLR100とLR200を、そして先日9月30日には最高機種のLR500を発売。これまで日本で発売されているタッチスクリーン搭載学習リモコンはソニーのRM-AV3000U、アルテアインクのARS-3000、マランツのRC9500の3機種のみであった。その中でRC9500は実売で約20万円と非常に高価である為、一般的なユーザーは実質アルテアインクかソニーを選ぶしかなかったのである。
先陣を切ったLR320は発売後すぐに品切れが続出し、入荷待ちの状態が続く人気であった。これまで発売されているリモコンではできなかったフルカスタマイズ+PCリンクが可能で、常識を破るほどの低価格だったからである。
その人気を受けラインアップの充実、現行機種としては唯一の日本語対応リモコンが加わる。しばらく停滞していた学習リモコン市場が動きはじめた。
エバーグリーンはLRシリーズとしてLR100、LR200、LR320、LR500Fの4機種をラインアップしている。番号が大きいほど上位機種という位置付けである。
基本的な選び方としては、まとめたい機器(リモコン)が6種以下で複雑な機器がない場合はLR100、機器が7種以上で複雑な機器がない場合はLR200、オーディオシステムやシアターシステムを組んでいる人はLR320かLR500Fを選ぶことになる。
今回の試用では、4ラインアップとも(1)テレビ(ビクター (2)ユニバーサルプレイヤー(マランツ)(3)CDプレイヤー(ソニー)(4)ケーブルテレビ(パイオニア)(5)ビデオ(東芝)(6)コントロールアンプ(パイオニア)(7)チューナー(デノン)(8)エアコン(ビーバー)の8種類の機器をリモコンに学習させた。
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フルカスタマイズできるのでエアコンの表示もわかりやすく登録することができた。ユニバーサルプレイヤーとCDプレイヤーの違いもわかりやすい。ページの切替はソフトボタンの送りと戻しを使うが、1ページから1ページ送りで2ページ、1ページから1ページ戻しで最終ページ(CDであれば4ページ)というように可逆ページ切替ができるのでページ数が多くなる程便利である。 また4機種の中で唯一キーを押した時のビープ音が3種類とOFFから選ぶことができる。充電式であることと、キーの表示に日本語とドット絵を表示することができるのも4機種中で唯一の機能である。充電池は単4のニッケル水素電池(容量800)が付属しているが、単4のニッケル水素電池はホームセンターなどでも簡単に手に入れることができるので、電池の寿命がきた時やより容量の多いものに買い換えることができる。
LR320より学習できる機器の数は少ないが、58機器以上のデバイスをひとつのリモコンで操作する人はまずいないと思われるので十分な容量だと思われる。画面もLR320より小さいが実際に1画面に表示できるデバイスの数はLR320と同じである。最上位機種ということもあって、今回試用した中では最も使い勝手が良かった。さまざまなカスタマイズができるのでカスタムするのも楽しかった。
今後ファームアップやソフトのバージョンアップがされると思われるので更に使いやすくなる可能性も高いだろう。
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メニュー画面のデバイス数はLR500Fと同じだが、各デバイスのキーがLR510Fより多く登録することができるので絵、各デバイスのページ数を少なくすることができている。学習させられるキーの数が非常に多いので、どれだけ多くの機器を持っていても足りなくなる事は絶対にない。プリセットがないが、他の機種のプリセットも今回の試用の環境ではほとんど使えなかったので、特に問題はないだろう。
ページ切替が送り、戻しともに1方向しかできない(可逆でない)が今回の試用程度の機器であれば特に不便ということはない。またLR320はタッチパネル周りの枠が垂直なので画面の端のキーを押すときは爪で押す感じになる。キーの反応速度も4機種の中で最も遅く連続してキーを押すのに少し時間がかかるが、実際の使用でキーの連続押しが必要になることはなかった。
多少不満が残るのは、なぜか画面を横に3等分するサイズのキーがないことで、画面を横に3等分するキーがあればさらに使い勝手の良いレイアウトができただろうことと、4機種の中でLR320だけビープ音がガラスとガラスをぶつけたような頭に響く音で少し煩わしいと感じたことである。またPCからリモコンへの書き込みの速度がかなり遅い。
とはいうもののPC接続ケーブル付属でこの値段と機能は圧倒的にすばらしい。PDAサイズなので大人の男性であれば片手での操作も問題なく、見た目より操作しやすい。好みが分かれるがバックライトも非常に明るい。
LR320だけはPCリンクソフトが他の3機種と違うため、今後ファームアップやソフトのバージョンアップがされる可能性は低いのではないだろうか。
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16機種まで登録できるが、デバイスの切替が8つのハードキーで9機種目からは8つのデバイスキーの2度押しで切り替えることになる。今回は8機種だったのでひとつのハードキーにひとつの機器の登録で切り替えもしやすかった。
タッチパネルのキーの配置が決まっているが、ひとつのキーに対して2〜3の表示選択、非表示ができる。LR320、LR500Fに比べて実際に1画面に表示できるキーの数が多い。
ただキーの名称を変更できないので、今回試用した機器と同じ表示がなく全く違う名称のキーに機能を割り当てるしかなかった。キーの表示名と実際の機能が全く違うので何を登録したのか、登録した本人ですら忘れてしまいそうだった。
今後ファームアップやソフトのバージョンアップもされると思われるので更に使いやすくなる可能性は高い。
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上記の8機種を学習させてみた。デバイス切替のハードキーが6つで6機種までの仕様になっているが、1デバイスに2デバイスを登録しキーの数を減らしてなんとか上記の8機種を登録することができたが、キーの表示名は固定なので実際の機能と全く違ったものにせざるを得なかった。
タッチパネルはLR200より小さいが、ハードキーの数が多いので実際1度に表示できるキーの数はLR200と同じである。ハードキーは26個あり、従来のリモコンとの違和感が少なく、リモコンの大きさも程よいため4機種の中でももっとも持ちやすく手になじむ。バックライトを点灯させるキーが側面にあるので片手での操作も楽である。また4機種の中でキーの反応速度が一番速いので連続してキーを押しても指の動きに完全について反応する。
登録できるデバイスの数は6機種であるが、今回の試用では8機種を学習させた為リモコンのキーが不足してしまったが、使いやすさは4機種の中で1番である。
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4機種それぞれの機能を比較表にまとめてみた。各々の環境や目的に応じて選ぶのに参考にして欲しい。また公式発表ではエアコンなど1部の機器は登録できないということになっているが、今回の試用で試したビーバーのエアコンはどの機種でも問題なく学習させることができた。同社の運営するWebサイト「上海問屋」にも詳しい情報が出ているので参考になるだろう。
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今まで、どのリモコンを買うか選ぶことすら困難だった学習リモコン市場がエバーグリーンの参戦によって一気に広がった。エバーグリーンのホームページやアップグレードツールの機器選択画面にはまだ未発表、未発売の機種名もみられるので、今後も新機種の投入も期待される。
海外に大きく遅れをとっている日本の学習リモコン市場であるが、エバーグリーンの参戦をきっかけに活性化していくことを期待したい。
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