新カラーを採用したThinkPad Zシリーズが登場！

　ビジネスシーンでの活用をコンセプトに開発されているThinkPad。新たに発表されたThinkPad Zシリーズは、このコンセプトを継承しつつ、ThinkPad初のワイド液晶や強度のあるチタニウム・シルバーの天板、マザーボードの負担を軽減するマグネシウム合金の骨格（ThinkPad Rall Cage）、キーボード横に設置されたスピーカーなど、新たな試みを詰め込んだものとなった。

　今回の新カラーでは、ダイヤモンドの次に硬いチタンを採用し、さらに指紋のつきにくい表面処理がほどこされている。発表会では10円玉をノートPCの表面にこすりつけるデモを行い、傷に強いことをアピールした。新カラーを採用した経緯については、「ユーザーからの黒以外のカラーが欲しいという要望が多く、IBMのころから温めていた企画。ThinkPadらしいカラーを考え、なるべく傷や指紋がつかない工夫をした」（取締役副社長 研究・開発担当 内藤在正氏）と説明した。

　指紋センサー、セキュリティー・チップ、ギガビットイーサは全モデルに搭載されている。なお、チタニウム・シルバーの天板が採用されているのは、上位モデルのみ。価格はどちらも119,700円〜、発売は本日から受け付けているが、出荷は10月下旬を予定している。

　「ThinkPad Z60t」は、A4サイズ、14.0型のWXGA液晶を搭載し、重量1.89kg（最小構成時）と、ハイスペックな構成ができるがモバイルも視野に入れたもの。「2台そろえるわけにはいかないという方に、オフィスでも持ち歩くときにも使えるものにした」（マーケティング担当　石田聡子氏）という。シリーズのポジショニングとしては、ハイスペックなモバイルノートPC T43とコンパクトなモバイルノートPC Xシリーズとの間になる。

　「ThinkPad Z60m」は、A4サイズ、15.4型 WXGA/WSXGA/WXGA MaxBrightの3種類の液晶から選べるなど、幅広い用途に対応するノートPCだ。オールインワンノートPCのGシリーズとRシリーズとの中間に位置する。

　今回の“Z”の名称を採用したことについて、「IBMのサーバー製品にも“zSeries”があるが、今回のThinkPadZシリーズは幅広い用途と使いやすさを追求したもので、汎用機という点では共通」（マーケティング担当　石田聡子氏）いう。ワイド液晶、キーボード横に設置したスピーカーについては、「（PCの使用環境において）個人と仕事の境目が少なくなってきており、汎用性のあるものが必要。上司とともにデータを見ながら仕事をするシーンも想定した」と説明した。パワーポイントなど操作性の向上のためにワイドな画面が必要なアプリケーションも増えており、需要も高まっているという。

　細かいところにも変更が加えられており、キーボード上に設置されていた「Access IBMボタン」が「ThinkVantage」ボタンと名称変更が行われた。従来なかったWindowsキーも登場した。また、キーボードはより過酷な使用に対応できるよう、パンタグラフ構造を変更したという。実際に触ってみると、これまでよりも安定したキータッチとなった印象を受けたが、ThinkPadファンには気になる変更かもしれない。

　発表の中で、「すべてのことが永遠に続くということはあり得ない。次の技術革新があるまで一定期間、変える価値があるものは変えていく」（内藤氏）と語っており、今後登場するThinkPadにも何らかの形で今回の技術が採用されると予想される。

フォトレポート

Z60tの従来色バージョン （クリックすると拡大できます）	片手で開けられるよう工夫されている （クリックすると拡大できます）
Z60tのキーボード。いよいよWindowsキーがついた （クリックすると拡大できます）	「ThinkVantageキー」を押すと表示される画面 （クリックすると拡大できます）
Z60tの右サイド （クリックすると拡大できます）	Z60tの左サイド （クリックすると拡大できます）
Z60tの背面 （クリックすると拡大できます）	Z60tの裏側 （クリックすると拡大できます）
Z60tの上位モデルに搭載されるチタンコーティング （クリックすると拡大できます）	マグネシウム合金で作られたZ60tの“骨格” （クリックすると拡大できます）
Z60mの“骨格” （クリックすると拡大できます）	HDDは、コネクタを強化し衝撃に強くなった （クリックすると拡大できます）
ラバー製のショックアブソーバーを追加し、落下試験による衝撃も50％減という （クリックすると拡大できます）	ThinkPadノートブック・スタンドにThinkPadエッセンシャル・ポートリプリケーターを組み合わせた状態 （クリックすると拡大できます）
デスクトップPCと併用するシーンもより使いやすくできる （クリックすると拡大できます）	背面から見た状態 （クリックすると拡大できます）
ThinkPadアドバンスド・ドック。ウルトラベイにも対応 （クリックすると拡大できます）	Z60mの正面。ワイド画面だ （クリックすると拡大できます）
指紋認証リーダーも付いている （クリックすると拡大できます）	Z60mの背面 （クリックすると拡大できます）
Z60mの左側面。横からみると分かりやすいひし形 （クリックすると拡大できます）	Z60mの裏面 （クリックすると拡大できます）
Z60mの天板（ブラック） （クリックすると拡大できます）	Z60mの天板裏側 （クリックすると拡大できます）
チタンの天板は、10円玉で傷つけても傷つかない （クリックすると拡大できます）