「RADIDEN」を手にしてみると、どことなく携帯ラジオを彷彿させる、懐かしささえ感じる親しみやすいデザインだ。外観はpremini-IIに似ているが、一回りほど大きく、ボタンも押しやすい大きさで操作感もいい。NTTドコモがターゲットとしている40〜50代のビジネスマン層だけでなく、ラジオ好きの30代前後にも十分通用しそうだ。
ケータイ初のAM/FM/TVチューナー内蔵ということで、特にAM放送の受信感度は気になるところだろう。今回、都内のビル内で試したところ、思った以上に感度がよかった。日常生活では、男性であればズボンのポケットに入れることが多くなることだろう。試しに、ポケットに入れてみたところ、若干ノイズが入り出した。しかし、「ノイズカット」機能をONにしてみるとかなりノイズが軽減。聞き取りやすくなり、かなり満足できた。
なお、ステレオ放送が受信できるのはFM放送のみ。AMステレオ放送で野球中継を聴きたかったので、非常に残念である。
ラジオを使用する際、チューニングのしやすさも重要な点のひとつではないだろうか。RADIDENのチューニング方法はいたってシンプルだ。本体前面にある「バンドボタン」を長押しすることでエリア設定画面に切り替わり、地域ごとに割り振られているエリア番号を選択することでチューニングは完了する。完了すると、上部の7つのボタンに放送局が自動で割り振られる仕組みとなっている。エリア番号を調べておけば、日本中どこへいっても手軽に切り替えることができるだろう。デザインだけではなくチューニングまでが携帯ラジオを彷彿させる仕上がりとなっており、ラジオ愛用者の私にとっては、小さな喜びだ。
ケータイとラジオがひとつになっていることで、ラジオ聞いているときに着信したらどうなるのか、メールはできるのかなど、気になる点も多いだろう。
ラジオ使用中に着信があった場合(マナーモード設定時も同様)、ラジオ音声はミュートし、通話終了後に音声が回復するようになっている。ラジオは多くの場合イヤホンをしながら聞いていることが多いが、付属のイヤホンにはマイクが付いている。イヤホンをしたまま通話もできる点は非常に便利だ。
一方で、iモード使用時には、メールの送受信やサイト閲覧時における音声のミュートはない。ラジオ音声を聴きながら操作ができるのである。じつは、ケータイとラジオが一体となった最大のメリットはここにあるのではないだろうか。
複数の端末を手にすることなく、RADIDEN一台あれば番組を聴いているときにリクエストメールや視聴者プレゼントにすぐに応募できるのである。ラジオリスナーならお分かりかもしれないが、多くの場合は番組プレゼントなどの応募受付には時間制限があり、一分一秒を争う。後から送ればいいという余裕はないのである。余裕があったとしても、うっかりすると忘れてしまう。そんなとき、ラジオとケータイの同時操作ができるRADIDEN最大の恩恵を受けられるのだ。
ケータイとラジオという思いがけない組み合わせが、日常生活をより楽しませてくれるのは間違いないが、それ故に心配点がないわけではない。お気に入りの番組を聴いている時、しかも番組の山場となる場面で着信があり、ミュートしてしまったとしたらどうだろう? 聴き逃してしまうのだ。通話中も番組が気になることは間違いない。だからといって電話機能がなければRADIDENの意味がない。小さな葛藤が起こる場面である。
RADIDENが携帯電話だということを忘れかけてしまうほど、ラジオ機能がすばらしいケータイだと言えよう。ラジオファンの私としては、現在使用中の最新型の携帯電話からの乗り換えを真剣に検討中だ。ラジオファンなら「RADIDENは買い!」と言えるだろう。
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」