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Eシリーズは、すべてインイヤ型のヘッドホンである。シュアがいうところのインイヤ型とは、一般にはカナル型といわれるもので、インナーイヤー・タイプでありながら、密閉型の構造を持つ。カナル型は、とくに最近になって注目を集めている方式で、KOSS(THE PLUG)やソニー(MDR-EX51LP/51SP/71SL/81SL、MDR-CX1W、MDR-NX1)、パイオニア(SE-CL30/20/20V)、パナソニック(RP-HJE50/70、RP-HNJ50)など、製品も数年前とは比べものにならないほどたくさん発売されている。
Eシリーズには、グレードの高いものから、E5c、E4/E4c、E3/E3c、E2cの4つの製品がある。以前はさらにE1という製品もあったようだが、現在は販売されていない。シュアのWebショップでは、E5cが499ドル、E4cが299ドル、E3cが199ドル、E2cが109ドルという価格で販売されている。国内のストリート価格が1万円ほどのE2cは数年前に急に話題になった時期があり、E2cの存在が現在のカナル型ブームを牽引したともいわれている。
今回ご紹介するE4/E4c(E4とE4cはカラー違いモデル。以後、E4と表記)は、あまたあるカナル型ヘッドホンの中でも特に品質の高い、高級なクラスに属する製品だ。国産の製品の多くが2千円台から6千円台という価格なのに対して、このE4はシュアの直販Webショップで299ドル。国内ではオープン価格となっているが、実勢価格で3万円台前半というところであろう。3万円のヘッドホンといえば、一般的にいってもかなり高級なクラスである。ポータブル・プレーヤー向けにはちょっともったいないかな、と思わないでもないが、逆にこのクラスの製品は貴重ともいえる。外出中、外出先でも高音質で音楽を聴きたい、それも、できるだけ小さなものがいい、というなら、このE4はうってつけなのである。
カナル型の最大の特徴は、密閉構造のため外部の環境音がシャットアウトされることだろう。経験では、数社から発売されているノイズ・キャンセリング機能付きの製品と変わらないくらいの効果があるように思う。電車など、騒音の中でもじっくり音楽を聴きたいのなら、ぜひお勧めしたい。同じ理由から音漏れも少ないので、周囲に迷惑をかけることも少ないだろう。実は、もう10年近くカナル型のヘッドホンを愛用しているが、1度使ったら、もうほかのタイプには移れないに違いない。特に、音量に変化の大きいクラシック音楽のようなジャンルには、必須といってもいいだろう。ピアニシモ(最弱音)からフォルティシモ(最強音)まで、ダイナミックに音量が変化するような場合、音量が大きいところに合わせてボリュームをセットすると、小さい音が聞こえなくなったりするが、カナル型なら大丈夫だ。
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E4は、キューブ型のかわいいパッケージで販売されており、キャリングポーチやレベルコントローラ、イヤパッドなどの付属品が付いている。国内製品と比べるとケーブルは太めで、約1.6メートルとちょっと長め。ちょっと、取り回しという点では不利である。しかし、人気の高い同じEシリーズのE2cに比べればハウジングは小さめで、装着感も悪くない。なにより、音質的には、低音から高音まで自然によく鳴り、さすがと感じた。KOSSのTHE PLUGは安価ながら低音はよく鳴るものの高音は伸びない、ソニー製品は極端ではないものの中域が薄く感じるが、E4は中域もしっかりしていて、音に厚みがある感じ。楽器のアタック音には迫力があるし、ベースドラムの余韻のような難しい音もしっかりと自然に聴かせてくれる。バイブラフォンのような金属系の音も、非常にクリアだ。
カナル型全般に言えることだが、イヤパッドを交換すれば、装着感はもちろん音質も変化する。このE4には、最初から装着されているもの、サイズのバリエーションも含めると、8種類9組ものイヤパッドが同梱されている。自分の好みに応じて、あらかじめ用意されたイヤパッドだけでなく市販の耳栓を使ってみたりする工夫も可能である。そういった工夫する楽しさ、カスタマイズの余地といったものも、このカナル型の人気の秘密のひとつかもしれない。
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