インターネットの普及により、個人所有のパソコンであってもネットワークがなくてはならないものとなった今、多くの人がウイルス対策をしていることだろう。自分のPCや他人のPCに被害を及ぼす可能性があるコンピュータウイルスは言うまでもなく怖いものだが、個人情報を勝手に収集して意図しない第三者に送ってしまう恐ろしいものも存在する。それが「スパイウェア」と呼ばれるプログラムだ。
具体的には、デスクトップで行っている動作をそっくりそのまま第三者が監視したり、ユーザーがショッピングの際に入力したクレジットカード番号やユーザーID/パスワードなどの重要な個人情報を自動的に第三者へ送ってしまったりする。これらは「キーロガー」と呼ばれるタイプのスパイウェアで、金銭的な被害を被る可能性が高くなるし、ユーザーIDとパスワードが知られれば、悪用され放題である。
このほかにも、Webアクセスをモニターしてアクセス履歴のプロファイル化をもとに、ポップアップ広告を出す「アドウェア」、他のホームページに接続するよう設定変更したりする「ハイジャッカー」、セキュリティ・ソフトウェアを無効にしたり、ツールをインストールさせたりして、ハッカーのマシンへのリモート・アクセスを許容させる「トロイの木馬」と呼ばれるものなどがある。
これらは、フリーウェアやシェアウェアと一体化していたり、電子メールやメッセンジャーなどを通じて入り込んでくる。
ユーザーが気がつかないうちに勝手にプログラムをインストールし、さまざまな情報を盗み出すプログラムが、いわゆるスパイウェアなのである。
今回紹介する「Webroot Spy Sweeper 4.0(以下Spy Sweeper)」は、こういったスパイウェアプログラムを駆除するためのソフトだ。販売元の米Webroot Softwareは、米国やヨーロッパにて、オンライン版とパッケージ版で個人向けの「Spy Sweeper」を販売し、600万人以上の顧客を抱えているという。
スパイウェアの駆除を行なう専用のソフトは「Spy Sweeper」以外にもいくつかあるが、「Spy Sweeper」の優れているところは「操作性」と「データベースの豊富さ」だ。特に定義データベースの更新頻度や内容などは、ほかのソフトとは一線を画す充実度を誇る。 使い方は非常に簡単なもので、「スキャンボタン」をクリックすれば、PC内のスパイウェアの検索が始まる。最近では数百GBもの大容量HDDも当たり前になりつつあり、ファイルの数も膨大になりがちだが、「Spy Sweeper」のスキャンは非常に高速なのがありがたい。もちろん、オプションで、「特定のドライブ」、「メモリ」、「レジストリ」、「Cokkie」など、スキャンしたい場所を選択することが可能だ。さらにスキャンするスケジュールを設定することも可能なので、自分が使っていない時間を有効利用してスキャンにかかる時間を削減することもできる。
検出されたスパイウェアは、一覧で確認可能。この中から不要なものを削除する。ただ、中にはスパイウェアと認識されているが、自分からインストールしたネットワーク系オンラインソフトなどの場合もあるので注意が必要だ。
また、スキャンによる駆除だけでなく、常時監視を行なうシールド機能も持つ。Internet ExplorerのActive Xを使った、Web上から直接インストールされるようなスパイウェアに有効だ。
そのほか、「Spy Sweeper」はスパイウェア以外にもアドウェア(強制的に広告を表示するような悪意あるプログラム)やトロイの 木馬(特定の条件により発動する悪意あるプログラム)などの駆除やブロックにも対応している。
このように、スパイウェアはいつ自分の知らないところでインストールされてしまうか分からない。情報化社会で重要な情報や個人的な情報をインターネット上でやり取りする昨今、個人情報を守れるのは自分しかいない。これからはコンピュータウイルスだけでなく、スパイウェアからもしっかりと身を守りたい。
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