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FOMA SH901iCを手にとって、まず目につくのが見慣れない位置に、いくつかボタンが配置されている点である。液晶モニタを開けると耳を当てるスピーカーの部分に、上下左右の方向キーとその中心の決定ボタン、その左右に2つのセレクトボタンとクリアが配置されており、ビューアースタイルで使用できる。
これまでの携帯電話でも、液晶モニタを反転させ、ビューアースタイルになるものはいくつか存在した。だが、その多くは、サイドボタンで操作する方式であり、直感的な操作ができないこともあって、あまり使い勝手がよくない。
そこで試した新しいビューアースタイルであるが、使い勝手は良好だ。方向キーが割り振られたおかげで、液晶を開いた状態とまったく遜色ない操作性を実現している。通話中にボタンが顔にあたるかどうかが気になったが、それも問題なかった。ビューアースタイルでは、通話とメールの閲覧、カメラ機能、映像や画像の再生などが行える。基本的には、縦型で使用するが、映像や画像の閲覧、カメラの撮影などは、横向きにして全画面表示にすることが可能だ。
SH901iCのセールスポイントの1つに、液晶モニターの見やすさがある。SH901iCには、シャープが開発した広視野角の「モバイルASV液晶」が採用されているのだ。同方式は、高コントラスト比と広視野角を実現したのが特長(カタログスペックでは300:1/160°)で、角度をつけて閲覧した場合でも、はっきりと美しい映像を再生できる。加えてゲーム関連でも画像処理用のLSIを搭載したことで、素早い動きが必要とされるアクションゲームなども快適に使える。
液晶側部にはステレオスピーカーを装備。音の定位情報を再現できる「3Dサウンド」機能によって、小さいながらも迫力のある音声が再生できるようになった。
こうした映像/音声関連の機能の充実と共に追加されたのが、本体を使って映像を録画できる機能である。別売りのAVケーブルを利用してAV機器と接続すれば、パソコンやSDメモリーカード対応のHDDレコーダーを経由せずとも、直接映像をminiSDメモリーカードに録画できるようになった。逆に録画した画面をテレビに出力することもできるため、AVケーブルと大容量のメモリーカードを使えば、用途は大きく広がる。
録画機能は、標準搭載されるiアプリ「Gガイド番組表リモコン」の電子番組表とも連携して、タイマー録画もできる。ただし、SH901iCには、チューナーは搭載されておらず、「Gガイド番組表リモコン」と連携するのは時間だけなので、予約録画したい場合にはあらかじめ接続する機器の電源を入れ、チャンネルを合わせる必要がある。仕方のないことだが、少々面倒にも感じられた。
SH901iCには、従来機種であるSH900iと同様に、miniSDメモリーカードに保存したWordやExcel、PowerPoint、PDF、画像が表示できるドキュメントビューワーの機能も装備されている。携帯電話の画面ながら、ドキュメントの拡大縮小が自由にできるのだが、新機種になってスクロールや拡大・縮小のスピードが高速化された。このため、より快適に資料を閲覧できる。
901シリーズよりメールが最大500KBまでのファイルが送受信できるようになったため、ドキュメントを直接見られるPDAのような使い方もできることを期待したが、残念ながらそれはできない。これは、添付できるファイルが画像か動画に限られるためだ。だが、メールに添付された画像を一度miniSDメモリーカードに保存すれば、ドキュメントビューワーで閲覧できる。このため、必要な場合にはjpgやpngに変換して、メールに添付して送ってもらうことで、ビジネス用途にも利用できるようになる。
加えて、PDAを得意とするシャープらしく、電子書籍のビューアー機能や約2万語の英単語を収録した電子辞書機能を装備。電子辞書は「現代新国語辞典」「スーパー・アンカー和英辞典」「スーパー・アンカー英和辞典」「辞スパ」「カタカナ新語辞典」「家庭の医学」を別途用意している。パソコンを経由してダウンロード購入するか、同書籍が保存されたSDメモリーカードを購入すると、これらの辞書が利用できる。
また、辞書機能を利用したサポートブックが標準で搭載されている。使い方を簡単に検索できるので、買った当初から説明書を読まなくても使えるのは大きな利点だといえる。
そのほか、「Edy」を搭載したことによる「おサイフケータイ」の機能や、202万画素CCDカメラによる高画質な静止画/動画撮影、スケジューラなども充実しており、非常に多機能に仕上がっている。AV機能を使うか否かで、コストパフォーマンスは大きく変わってくるが、あれもこれもと求めるユーザーに向いた機種だといえる。
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