ロングセラー製品の人気の秘密は圧倒的な軽さ松下電器産業 Let’s note CF-W2FW6AXR

奥隆朗(編集部)2005年02月25日 00時00分
パナソニック
CF-W2FW6AXR
内容:ノートPCの価格は、デスクトップPC同様に年々下落傾向にある。そんな中で松下電器産業の「Let's note LIGHT W2シリーズ」は、数回のマイナーモデルチェンジを繰り返しているが、常に20万円半ばの比較的高い価格帯で値付けされている。この価格をキープし続けられる強みはどこにあるのだろうか?

マイナーチェンジによって確実に進化

 「CF-W2FW6AXR」は、従来から同社から発売されている「Let's note LIGHT W2シリーズ」の最新モデルという位置付けだ。「Let's note LIGHT W2シリーズ」の特徴は、XGA対応の12.1型液晶モニターと光学式ドライブを内蔵しながら、重量をわずか1.3kg弱に抑えていることにある。同時にモバイルノートとして必要な長時間稼働も実現しており、標準バッテリーで7.5時間動作できるようになっている。

 基本的に「CF-W2FW6AXR」は、インテルの「Pentium M 753」を装備した点以外は、従来モデルとの変更はない。前モデルと比較すると1.10GHzだったCPUの動作周波数が、1.20GHzに若干上昇したものとなる。というのも、その前のモデルは2004年11月に発売されたもので、ほとんど間をおかずに発売された新製品となるからだ。

 2003年6月に「Let'snote LIGHT W2シリーズ」の初代機が発売された当初は、CPUの動作周波数は900MHzで、2次キャッシュも1MBと少なかった。また、無線LAN機能に関してはIEEE 802.11bのみの対応であった。これが現在では、2次キャッシュが2MBになり、無線LANはIEEE 802.11a/b/gに対応。さらに光学ドライブもDVDマルチドライブが搭載されるようになった。それぞれは細かな仕様変更のようにも思えるが、2次キャッシュが2MBになった効果は明白で、速度差が体感できるほど性能が向上している。もちろん、動作周波数の向上による速度アップもあると考えられるが、900MHzと1.20GHzの差ではそれほど感じられないことも多い。このため、2次キャッシュが倍増したことによる効果が、この体感速度の差に現れたものと思われる。

軽さと長時間駆動でベストセラーに

モニター部分は、車のボンネットのように凹凸を持たせて強度を増している。

 スペックから読みとれる性能ではなく、実際のユーザーインターフェースを含めた使い勝手に目を向けてみよう。これまでにもさまざまなノートパソコンを使用してきたが、光学ドライブを装備しながら、この軽さを実現しているのは賞賛したい。

 ただ、あまりに軽いので正直、強度に問題があるのではないかと感じてしまう。だが、その点については、軽量なマグネシウム合金の採用と、車のボンネットのように凹凸を持たせたことでクリアしているという。強度は、30cmの高さから落としても耐えられる対衝撃性を実現しているという。

光学ドライブをキーボード下に埋め込んだことで、軽量化と堅牢さの両立を果たした。

 光学ドライブも一般的なトレイローディング方式ではなく、「ホイールパッド」の下に埋め込んだ「シェルドライブタイプ」だ。これは、部品点数や可動部分をトレイローディング方式よりも大幅に削減することで、強度と軽量性を確保するためだ。こうしたさまざまな工夫を施した結果、多機能ながら通常の持ち運びが可能なほど軽いマシンに仕上がった。モデルチェンジの激しいPC業界にあって、同社が基本設計の変更なしにマイナーチェンジで済ませているのは、強い需要があるからであろう。

 実際に利用してみても、光学ドライブを装備しながら、1.3kg弱という本体重量は、ビジネスユースでは大きな利点になると感じた。例えば、取引先にCDやDVDなどのメディアでデータをもらった際に、次の場所への移動中に内容を確認できる。

 また、ホビーユースとして利用する際にも、7.5時間の長時間稼働が可能な点が生きてくる。旅行の移動中にDVDを鑑賞したい場合にも、連続再生できるからだ。モニターの輝度などを、通常利用よりも高めに設定するほか、CPUの占有率が高い、光学ドライブを連続的に使用するなど、電力を消費する条件が重なっても、2時間の映画を見て、その後に通信できる余裕がある。

トータルではビジネスユーザーにおすすめ

右側面はPCカードスロット、SDメモリーカードスロット、モデムポート、イーサネットポートと標準的な仕様。

左側面はUSBのほか、外部モニター出力を備える。

キーストロークは、ノートPCとしては標準的。

 操作性に関してだが、「ホイールパッド」は、周囲部をなぞることでマウスのスクロールボタンのような使い勝手を可能にしてくれる。個人的には一般にタッチパッドの操作性はあまり好きでなく、割り振られているスクロール機能も使いにくいため、小型マウスを外付けで使うことも多いのだが、本製品ではスクロールに関しては違和感なく利用できた。一方、キーボードは長時間の文章入力を必要とするユーザーには、ストロークが若干浅いことが気になるかも知れない。

 付属のソフトウェアについては、プレインストールされている種類が少なく、家庭での趣味にもいろいろと使いたいという場合、多少物足りないかも知れないが、複数のネットワーク環境を切り替えるソフトなど必要なものは装備されている。ビジネスユースで利用する場合には、むしろ起動の早さの方が重要になるケースも多く、そこは使い方によって分かれるところではあるが、全体的に非常に良くまとまったマシンだと言えるだろう。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]