今回の高速化は、「通信速度の向上」と「Webブラウジング時などの通信効率の向上」により実現されている。
通信速度は、32kbpsの通信チャンネルを8つ束ねることで256kbsの高速通信が可能になった。ちなみに、従来のラインナップで一番高速な128kbpsの接続は、32kbpsの通信チャンネルを4つ束ねたものだ。
今回のサービスインに伴い、従来の「32kパケット方式」は「1xパケット方式」、「128kパケット方式」は「4xパケット方式」に名称変更され、256kbpsの新サービスは「8xパケット方式(AIR-EDGE[PRO])」となる。
回線そのものの強化に加え、体感速度向上のキーとなるのが「MEGA PLUS」だ。これは、専用クライアントソフト「トルネードWeb2」によって、通信時に画像やテキストなどの最適化を行い、体感速度が向上するというもの。メガクラスの体感速度は、「AIR-EDGE[PRO]」と「MEGA PLUS」の併用によるものだ。
すでにDDIポケットのWebサイト等で公開されている「トルネードWeb」と基本的なしくみは同じ。
「MEGA PLUS」の専用ソフトは、AIR-EDGE[PRO]では無料で提供され、32kbps、128kbpsサービスでは有料となる(お試しキャンペーンにより、2005年7月まで無料)。
今回のお借りしたものは開発中のため、ソフトウェアはCD-ROMで提供され、セットアップも手動で行った。しかし、本来のパッケージでは、ソフトウェアはUSBメモリで提供される。利用者はこのUSBメモリをPCに接続し同梱の「Easy Setup Tool」を実行し、画面の指示どおりにプロバイダなどを入力していくだけですぐに接続設定が作られるため、面倒な設定からも解放され、導入までの手順も「高速化」される。特に今までCD-ROMがついておらず、ドライバのインストールに苦労したユーザーにとっては朗報だろう。
セットアップ後、さっそく接続を行うとネゴシエーションは数秒で完了し、すぐにインターネットに接続することができた。
さっそく「お気に入り」のサイトにアクセスしてみたのだが──。“体感1Mbps”というキャッチコピーに期待しすぎたせいだろうか。思ったほど速くはない。念のため、「トルネードWeb2」の設定を確認してみたが問題はなく、“体感1Mbps”にはちょっと遠いように感じた。
まずは、256kbpsとなったAIR-EDGE[PRO]の回線部分について分析しよう。
この部分については、各種スピードテストや、FTPなども試してみたが、おおむね理論値に近い値が出ているようだ。平均して150kbpsから210kbpsの速度が得られている。AIR-EDGE[PRO]においても電波状態さえよければ、かなりの通信速度が得られるようだ。
だが、通信速度は得られているにもかかわらず、体感速度はいまひとつ伸びない。試しにjapan.cnet.com宛にPINGを打ち、値を調べてみるとやはりこの部分がややネックのようでパケット到達時間が平均250msから600msとふるわない。ちなみに、自宅のADSLからjapan.cnet.comへのPINGの到達時間は平均20ms。今までのAIR-EDGEでも同様にパケット到達時間が長めだったが、これだけ差があると特に細かい画像を大量に読み込むようなWebサイトなどではやや分が悪い。このあたりがADSLとの「体感」の差となっているのだろう。
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