独自のデザインと操作感が特徴的なグローバルケータイ ボーダフォン 702MO/702sMO

奥隆朗(編集部)2005年03月01日 00時00分
Vodafone
内容:現在、ボーダフォンでは、本格的な3Gの普及に向けてさまざまな活動を展開している。その1つに機種のラインアップの拡大が挙げられる。特に、ボーダフォンではノキアやモトローラなど、外資系メーカーを積極的にラインアップに加え、世界各国で展開する同社らしさを打ち出す。今回は、モトローラ製の2機種をレビューしてみた。

個性的なデザインが際だつ

本体を並べた様子(左:702sMO/右:702MO)

鎧や筋肉などをイメージさせる「702sMO」の操作ボタン

「702MO」は標準的な十字ボタンを採用。モニター下に11万画素のカメラを装備

一般的な折りたたみ型ケータイと「702MO」を比較した。「702MO」が一回り小さく感じる

 今回レビューした機種は折りたたみタイプの「702MO」と、ストレートタイプの「702sMO」の2機種である。見た目の雰囲気は明らかに異なるものの、機能は共通となっているので、共にレビューしていこう。

 2機種を見て最初に目がいくのがその独特のデザインで、日本の携帯電話メーカーの機種にはない雰囲気がある。折りたたみ式の「702MO」は、小さな本体サイズが特徴だ。一般的な大きさの携帯電話と比較すると、高さは約80%程度に収まっている。男性の標準的な手の大きさであれば、手の中にすっぽり収まるサイズである。だが、開いたときに耳と口の両方に届く長さは確保されている。音が聞き取りにくかったり、声が伝わりにくかったりすることはなく、通話時の使い勝手は良好であった。

 一方の「702sMO」は、いまや数少ないストレートタイプであり、ボタンの配置も他機種とは少々異なるものとなっている。特に、数字ボタンのあたりは、鎧や鍛え抜かれた腹筋をイメージさせるスパルタンな雰囲気を醸し出しており、女性向けコンセプトのケータイなどとは、一線を画したものとなっている。通話時の使い勝手に関しては、「702MO」と比べても全長が短いだけに、少々話しにくいのではないかとの印象を持っていたが、マイクの集音性も良好で問題なく利用できた。

 ユニークなことに、この2機種はデザインの違いはあるものの、搭載している液晶モニターのサイズや、本体重量までもが同じとなっている。ただ、方向・決定ボタンは「702MO」が円形ボタンなのに対して、「702sMO」は上下左右に倒して操作するスティックタイプであるため、操作性は異なる。個人的には、使い慣れた円形ボタンが使いやすく感じたが、これは慣れに従って解消されていく問題だろう。


性能はやや物足りないがグローバル度は高い

「702MO」は、右側に閉じたままでも特定の操作できる上下/決定ボタンと、左側にカメラ起動ボタンを装備

「702sMO」はストレートタイプであるため、上下ボタンのみが配置される

電池の下にSIMカードとメモリーカードを装備。「TransFlash」の読み書き用にSDメモリーカードアダプターが付属

 基本的なスペックや機能に目を向けると、カメラの画素数、モニターの大きさや解像度には、やや物足りない印象を受ける。カメラは、外向きのものが31万画素、テレビ電話などで使用する自分向きのものが11万画素であり、メガピクセル以上が大半を占める状況では、見劣り感は否めない。

 一方、利点はボーダフォンの3Gケータイであるため、グローバルで使える機能が充実していることだ。テレビ電話に関しては、国内外で利用できるほか、音声通話中にメールやウェブブラウジングができる「マルチ接続」機能を装備している。

 また、W-CDMAだけでなくマルチバンドのGSM(900/1800/1900MHz)もサポートするため、W-CDMAがまだ普及していない国でも問題なく利用できる。なお、2004年11月の時点では、日本および世界43の国と地域で通信が可能となっている。

 ほかにも、「着うた」や「着うたロングバージョン」への対応や、動画/音声の再生機能、それらを高品質で再生できる「3Dオーディオ」機能など、最新の携帯電話が持つ機能はきちんと備えている。


PCとの接続機能は充実

パソコンとのシンクロ画面。携帯電話のアドレス編集ソフトと同等の機能を持つ (クリックすると拡大できます

通話やメールの送受信など、ケータイ単体と同等の操作も行える (クリックすると拡大できます

 注目したいのは、PCとのデータ交換ができる「PCリンク機能」を搭載している点だ。「PCリンク機能」は、専用のソフトをインストールして利用するものとなる。ソフトをインストールし、携帯電話を付属のUSBケーブルでPCに接続すると、接続した携帯電話と同じインターフェースが画面上に現れる。このインターフェースは、通話やメールの送受信の操作がPC上から実施できるユニークなもの。

 また、各種のファンクションキーを押すと、PCを携帯電話回線経由でインターネットに接続したり、携帯電話内に保存された音声や映像、着信音などを編集・データ移行したりできるソフトが立ち上がる。さらに、スケジュール・電話帳に関しては、マイクロソフトのOutlookとのシンクロも可能なので、同ソフトを利用していれば、ビジネスツールとしても有効に活用できる。

 ただ、USBで接続する際の認識させる手間が少々面倒に感じた。ケーブルではなく、充電スタンドを兼ねたクレードルなどを介して自動的にシンクロできるようであれば、使い勝手は大きく向上したと予想される。

 そのほか、ボタンの操作性などに関しては、日本のメーカーとは若干異なる印象で、慣れるまでは少々の時間が必要かも知れない。ただ、よく使う機能をショートカットキーとして登録できるので、そのあたりでもカバーできる。また、外国製のケータイとはいえ、漢字変換などの機能に関しては、予測変換機能を備えた「モバイルWnn V2」を採用したおかげで、問題なく入力できる。

 このほか、記録メディアには、miniSDメモリーカードなどよりも小型の「TransFlash」が使われている。こう聞くと不安になる方もいると思われるが、標準でSDメモリーカード対応となるアダプタが装備されている。購入できる場所は少ないと思われるが、データ交換については問題なく行える。

 日本の電機メーカーのケータイは、日本独自のニーズに合わせて、機能や操作性が作り込まれている。このため、「702MO」「702sMO」には、クセの強い部分を感じることも多い。しかし、グローバルで利用したいユーザーはもちろん、斬新なデザインには確実に引きつけられるものがある。デザインをはじめ、人とは異なる一品を持ちたいユーザーには、おすすめできる機種だと言える。


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